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メイウェザーが売り出す無敗のスーパーライト級

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Mayweather Promotions
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 11戦全勝5KOの23歳、リチャードソン・イチンス。

 メイウェザープロモーションと契約し、今週末、元IBFスーパーフェザー級王者のドミニカン、アルヘニス・メンデスと戦う。会場はコネチカット州アンカスビルのモヒガン・サン・アリーナ。SHOWTIMEが生中継する。

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 イチンスは言う。

 「ラスベガスでキャンプを張ったが、フロイド・メイウェザー・ジュニアが計り知れないサポートをしてくれた。自分は既にファイターとしての基礎は出来ている。でも、フロイドに習ったことを付け加え、自分のモノとするように練習して、このファイトを迎える。

 ボクサーとしての実力を惜しまずに発揮するよ。12日の試合に向け、ベストな状態に仕上げたつもりだ。俺が何者であるかを世界に示したい」

Photo:Mayweather Promotions
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 「このキャンプでコーチ陣から非常に有益な指導を受けた。いつも俺を追い込んでくれる。だからこそ、ベストな状態でリングに上がれるんだ。

 パンデミック等いろいろあったが、とにかく、試合に集中して来た。休みなんてとらずにジムに通っていたぜ。ペースダウンもしちゃいない。輝かしい未来を手に入れる為には当然だよ」

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 「一つの試合を終えても、いつでも戦える体を保っている。それが仕事だと思っている。だから俺には、特別なコンディション調整は必要ない。

 常に真剣に、仕事に向かっているんだ。これはフロイドが現役時代にやっていた事と同じ。憧れの人を見ながら、彼の模倣をしているって訳さ」

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 12歳でボクシングを始め、18歳でリオ五輪に出場したイチンスは、初戦で敗退した。プロデビューは翌2017年。

 メイウェザーがアトランタ五輪で銅メダルを獲得したのは19歳の頃だった。元パウンド・フォー・パウンドは、オリンピックの余韻が残る1996年10月にプロ第1戦のリングに上がった。

 イチンスがメイウェザーの背を見詰め、学ぼうとする姿勢は理解できる。プロモーターは今後、若き才能をいかに扱っていくのか、これも見物だ。

 まずは、現地時間12日のファイトに注目したい。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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