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日本ミニマム級新チャンピオン

林壮一ノンフィクションライター
撮影:山口裕朗

 1位、谷口将隆と、3位の佐宗緋月との間で争われた日本ミニマム級王座決定戦は、ファーストラウンド早々にダウンを奪った谷口が、終始ペースを握った。

 しかし、なかなか詰め切れない。

 かなり力の差のある相手を仕留めるのに、最終ラウンドまで掛かってしまった。

 谷口は振り返る。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 「デビュー前から面倒をみてもらっていたトレーナーがジムを去ってしまって、精神的に不安でした。新しいトレーナーと組んで、一カ月弱ですから……。ただ、いい経験になったと前向きに捉えています。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 ベルトを腰に巻いて、ようやく一つ、しっかりした形になったなという気持ちです。今回の試合、動き自体は良かったかなと。でも、もっと色々と出来ることがあったようにも感じます。

 ジャブを出した際、思ったよりも遠かったです。ですから、プレスを掛けました。そういう微調整ができたことは、成長だなと思います。

 最初に奪ったダウンは、狙ってもいなかったし、感触も何も無かったのですが、精神的な余裕は生まれました。

 ある程度、思ったことが出来ましたね。おそらくポイントを失ったラウンドも無いでしょう。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 映像も見ましたが、要所要所で相手のパンチを食っていたところもあります。何発かもらっていたので、今後は気を付けたいですね。それに、バランスを崩した部分も何度かありましたので、しっかり反省しなければいけません。

 今回、パンチを打つ時に反対の手でのブロック、顔の位置、距離とディフェンスを意識して練習していました。まだ途中段階ですが、進歩は感じました。

撮影:山口裕朗
撮影:山口裕朗

 ただ、5~6ラウンドくらいで仕留められる相手だったんじゃないかな。ちょっと相手に付き合っちゃったな、と。倒しに行こうと思って打ったのですが、頭に当たったりして、しっかりミート出来なかった部分があります。

 次の課題は、「倒すべき時に倒し切る」ですね。ワタナベジムには、京口紘人、重岡優大、重岡銀次朗といいスパーリングパートナーが沢山います。恵まれた環境ですから、自分のペースをいかに作るか、相手をストップすべき時に仕留められるような選手を目指していきたいです」

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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