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WBC/IBFウエルター級タイトルに挑む2階級制覇王者

林壮一ノンフィクションライター
ガルシアが挑むチャンピオンは26戦全勝21KOのサウスポー、スペンス(写真:REX/アフロ)

 WBC/WBAスーパーライト、WBCウエルターと2階級を制した36勝(21KO)2敗のダニー・ガルシア(32)が、12月5日にWBC/IBFウエルター級王者、エロール・スペンス・ジュニア(30)に挑む。

 両選手は既に試合が行われるテキサス州アーリントンに入った。キャンプ打ち上げ直前の挑戦者、ガルシアの言葉をお届けしよう。

Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions
Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions

 素晴らしいコンディションだ。長く、充実したキャンプを張ることが出来た。本当にハードな練習をこなしたよ。今、自分の肉体は21歳の頃に若返ったようだぜ。

 ビッグファイトに向け、支えてくれた家族に感謝したい。ウエイトコントロールもサポートしてもらった。

Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions
Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions

 このファイトは、自分のキャリアにおいて新たな章の始まりだ。自分が成し遂げたことに、美しい時間を付け加える機会をもらったね。こうしたビッグマッチを望んでいたよ。

 ボクシング界にとって、後世に語り継がれる試合になるだろう。だからこそ、十二分な準備をしてリングに上がらねばならない。

Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions
Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions

 俺が負けることを予想する人も少なくない。でも、そこに快感を覚えてもいるんだ。不利って言われる度に「よし、自分の力を証明してみせる」というエネルギーがふつふつと湧いて来るからさ。

 今までにも俺は、ザブ・ジュダーやエリック・モラレスのような天才と戦った折にネガティブな事を言われたもんだよ。でも、頭を使った戦いをして勝っただろう。今回も色々と学習しているよ。

 もし、自分がフィラデルフィア生まれじゃなかったら、こんな人生は歩めなかった。プエルトリカンとしての矜持を持ち、幼い頃からボクシングジムに通って、技術も精神も肉体も磨いて来た。フィラデルフィアという地が俺を世界チャンピオンに導いてくれた。

Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions
Photo:Sean Michael Ham/ Premier Boxing Champions

 WBC/IBFウエルター級チャンピオンのエロール・スペンス・ジュニアは、ヤツの対戦相手のなかで最もパンチがある男が俺だと理解するだろう。それだけのモノを持っているからな。

 スペンスが昨年の9月28日以来、試合をしていないことについては何も言えない。ただ、俺は最高の自分を造ったし、ベストコンディションでリングに上がる。

 自分の時代を築くためにも、俺は勝たなきゃならない。勝つために、リングに上がるよ。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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