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メイウェザーが「俺を超える」と語る王者vs.5階級制覇を狙うチャンプ、間もなくゴング!

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 1試合で、2つの異なった階級のタイトルが懸けられるジャーボンテイ・デービス(25)とレオ・サンタ・クルス(32)戦まで、残すところ数時間となった。

 契約ウエイトはスーパーフェザーのリミットである130パウンド。ならば、ライト級のタイトルを懸ける必要があるのか? 疑問を払拭できないまま、計量も終了した。

 

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 先に秤に乗ったサンタ・クルスは、129.5パウンドで楽々とパス。37勝(19KO)1敗1分けの戦績で、IBFバンタム級、WBCスーパーバンタム級、WBAフェザー級、WBAスーパーフェザー級と4階級を制したサンタ・クルスにとって、130パウンドの体を作るのはまったく問題が無いようだった。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 デービスはスタッフが横断幕で体を覆うなか、全裸になって秤に乗り129.75パウンドであった。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 最後の記者会見における両チャンピオンの言葉をお届けしたい。

 23戦全勝22KOで、WBAライト級正規チャンピオンのジャーボンテイ・デービスは言った。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 俺のチームはラスベガスでキャンプを張り、15週間トレーニングを積んで完璧に仕上げた。非常にいい準備をした。レオもベストコンディションでリングに上がることを願う。そして、ファンに喜んでもらえる試合を見せたい。

 レオは手数も多いし、前に出てくるだろう。激しい打ち合いになるんじゃないかな。それを制してファンを楽しませたいと考えている。打ち合いでも、距離を取っての戦いでも圧倒したい。アングルを考えて戦うよ。きっと、土曜の試合は忘れられないものになるだろう。

 きっとレオとの戦いが、俺をレベルアップさせてくれるだろうよ。レオが素晴らしい選手であることは誰もが認めている。俺みたいなパワーヒッターを相手にするスピリッツにも敬意を払う。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 ノックアウトしなければいけない、とは思っていない。ただ、最高のパフォーマンスを見せたい。自分がボクシング界でトップ選手であることを証明しなければと感じているよ。

 バスケの神様、マイケル・ジョーダンは自分について書かれたネガティブな記事を読み、それを覆したらしいね。俺もそれを狙っている。負の要素を払拭して、思い切り予想を裏切りたいな。

Photo:Sean Michael Ham/Mayweather Promotions
Photo:Sean Michael Ham/Mayweather Promotions

 フロイド・メイウェザー・ジュニアは、「試合に集中しろ。このファイトをモノにすれば一つの勝利だけでなく、PPVビジネスの顔になれる」って言ってくれている。

 今まで戦った試合よりも、ずっと大きな意味を持つタイトルマッチだ。レオはそれだけの相手さ。一瞬も気は抜けない。それだけにハードなトレーニングをして来た。この試合の勝者はパウンド・フォー・パウンドのベスト10入りするだろう。

 とにかく、己の存在を証明したい。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 一方のWBAスーパーフェザー級王者、レオ・サンタ・クルスは語った。

 幼い頃から描いてきた夢の舞台に立てることを、非常に嬉しく思います。支えてくれている人々に心から感謝します。ただ、私はまだ自分の仕事を成し得ていません。

 私は、自分の階級で最強のファイターになることを常に目指しています。ですから、ベストファイターと戦い、勝利しなければならない。そういう挑戦をずっと続けて来ました。デービス戦は危険を伴いますが、自分自身へのテストでもあります。

 我々は共に、多くの苦しみを乗り越えて今の場所にいます。お互いに、自分のスタート地点に戻りたいなんてこれっぽっちも思っていません。そういうメンタルがいい試合を産むんじゃないでしょうか。

 私はメキシコ人選手特有の闘志を持っています。父からは「頭を使って戦え」と言われてきました。でも、乱打戦になってもいい。打ち勝つのは、この私です。

 私の不利を予想する人がいることも理解しています。人には、それぞれの意見があるものです。ただ、彼らが誤っていることを示すのが私の仕事です。この一戦のために十二分な準備をしてきました。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
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 5階級制覇のチャンピオンとして、自分の名がボクシング史に刻まれることも、もう一つの夢の実現です。

 デービスは出入りを速くするでしょうね。それは予想しています。対策も練っていますよ。

 私の仕事は勝つこととファンに素晴らしい試合をお届けすることです。ベストを尽くして、リングを降ります。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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