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アルゼンチン人コーチが語る「バルサのネイマールが見たい!」

林壮一ノンフィクションライター
ネイマールはケガに弱い?(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、京都サンガ所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。現在、彼は、埼玉県に発足したクラブチームFC Futureで指揮を執っている。

 そのエスクデロが、移籍市場を賑わしているブラジルの背番号10について語った。

撮影:著者
撮影:著者

 この夏の移籍で最も関心を集めているのは、やっぱりネイマール(27)ですね。バルセロナが出した「1億9000万ユーロ(約224億円)でネイマールに期限付き移籍オファー」を、パリ・サンジェルマンが拒否したなんて報じられました。僕は個人的にネイマールがバルサに戻ることを期待しますが、レアル・マドリードが欲しがっているという噂もあるし、プレミアリーグが狙っているという話も聞きます。バルセロナのファンは「ネイマールは裏切り者だ!」という感情を持っている人も少なくありません。ネイマールが復帰するなら、誰か大物がチームを去ることになるでしょうね。

 ネイマールはかなり金銭的に潤っていますから、遊んじゃっていますね。バルセロナ在籍時は、メッシ(32)、ルイス・スアレス(32)と非常に仲が良く、息も合っていました。いいプレーを見せていましたよね。チームの一人として、ネイマールの仕事ぶりは素晴らしかった。

 上手くいっていたのに敢えてパリ・サンジェルマンに移籍したのは、ネイマールのプライドですよ。自分がエースになろうとしたんです。でも、パリに行ったら、エディンソン・カバーニ(32)とあんまりいい関係を築けていませんね。それが失敗の原因かな。

 ネイマールは、コパ・アメリカの直前に女性問題が発覚したり、6月5日に行われた国際親善試合のカタール戦で右足首靱帯を断裂したりと落ち着きませんね。“若さ”が成長の妨げになっているように思います。

 今、ネイマールがバルセロナに復帰したとしたら、グリーズマン(28)とのポジション争いになります。これは見応えがありますよ。とは言っても、メッシもスアレスも若くはないので、今後、怪我に見舞われることが増えていくでしょう。メッシは左足の肉離れをしていて、まだ治療に1ヶ月くらいかかりそうです。

 ですから、バルサとしたらローテーションを考える意味でも、是非ネイマールを獲りたいところでしょう。ブラジル代表のコウチーニョもバイエルン・ミュンヘンに行くようです。彼とチリ代表のアルトゥーロ・ビダル(32)のポジション争いなんて、これ以上ないという高いレベルのものとなった筈ですが・・・。

 

 目が離せない移籍市場ですが、僕はネイマールが更に輝くことを祈っています。27歳ですし、まだまだ伸びますよ。どこまで彼が頑張るか、注目しています。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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