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東大特任准教授、炎上後に繰り返し指導も削除せずと大学側説明。本人は「フェイクニュース」と主張

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
東大側は「繰り返し注意指導している」ことを明かす(写真:アフロ)

 「中国人は採用しません」との差別発言から炎上している東京大学大学院情報学環・学際情報学府の特任准教授の大澤昇平さんに対し、大学側は「繰り返し指導しいてるが削除しない」ことを明らかにしました。

メーリングリストで学生らに伝える

 東京大学大学院情報学環長・学際情報学府長の越塚登さんが、11月26日にメーリングリストを通じて学生たちに向けて以下のメッセージを発信していたことを発表しました。

メッセージ全文

学際情報学府の学生の皆さん

SNS上において、情報学環の大澤昇平特任准教授による不適切な書き込みがありました。これには特定の国籍または民族による差別が含まれており、学環学府として到底許容できるものではありません。

これらの書き込みは、学環学府や東京大学の信用と構成員のみなさんの心を傷つけたものと思います。学環学府の責任者として、深くお詫び申し上げます。

東京大学は学問の府として、東京大学憲章に基づく倫理を守り、いかなる種類の差別も認めない方針で教育・研究活動をおこなってきました。それにもかかわらずこうした事態となったことを本当に残念に思います。

問題発覚後、書込みの削除を含む注意指導を繰り返しおこなっていますが、まだ削除されておりません。

今後もみなさんが安心して勉学に取り組めるよう、適切かつ厳正な対応をできるだけ早くとってまいります。

出典:東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 - 学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する学生へのメッセージ

 差別発言を読んで不安に思ったり傷ついたりしたであろう学生たちや関係者に対し、そのサポートが行われていることがわかり安心しました 。

 その一方で、問題の特任准教授は繰り返しの注意指導が行われているにもかかわらず、差別発言を削除していないという残念なこともわかりました。

特任准教授「演出されたフェイクニュース」と主張

 昨日、今回の炎上事件についての流れを記事にまとめました。

 その後、炎上から沈黙していたご本人の『Twitter』を確認しにいったところ、「炎上騒動は黒幕がおり、演出されたフェイクニュースだ」といった新しい主張をしていることを確認できました。

 今回の炎上騒動は「左派系デモ団体であるシバキ隊によって演出されたフェイクニュースであり、一部の過激派によるサイバーテロである」とのことです。

 何がなんだかよく分かりません。もはや通常の炎上事案ではない空気になってきました。

 ただひとつだけ言えることは、東京大学大学院情報学環長の見解も、寄付講座に資金を提供していたマネックスグループ株式会社や株式会社大広の寄付停止も、株式会社Daisyの取引先であるStreamr社の提携解消発表のいずれもまぎれもない事実だということです。フェイクではありません。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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