「中国人は採用しません」「金子勇は犯罪者」「HTTPSなら90%安全」東大特任准教授、その炎上の流れ

またしても『Twitter』で炎上事件です

 東京大学大学院情報学環・学際情報学府の特任准教授で、株式会社Daisyの代表を務める大澤昇平さんが『Twitter』で「中国人は採用しません」とツイートしたことをきっかけに、大炎上しています。

 この炎上は東京大学大学院が謝罪をするだけではおさまらず、大澤昇平さんが担当する同大学の寄付講座に資金を提供しているマネックスグループ株式会社や株式会社大広が寄付を中止する声明を発表するなど、どんどん燃え広がっていっています。

 いったいなぜこんなにも炎上しているのか?

 一連の流れを解説します。

きっかけはフィッシングサイトの見分け方「鍵マークついてれば90%安全」

 大澤昇平さんが最初に『Twitter』で注目されたのは、AbemaTVの『けやきヒルズ』が11月7日に放送した気象庁を装った偽メール問題の取材に対し、大澤昇平さんが「アドレスバーに鍵マークがついているサイト(HTTPS化)であれば90%ぐらいは安全」と回答したことがきっかけです。

 この発言を受けてセキュリティ関係者らが『Twitter』上で「いまはフィッシングサイトもHTTPS化している。この案内では視聴者が詐欺に騙されてしまう。90%の根拠は何か?」と大澤昇平さんに問い詰める事態となりました。

 これに対し大澤昇平さんは「フィッシングサイト内のHTTPS化の割合と、HTTPS内のフィッシングサイトの割合は違う」と反論。

 しかしながら数字の根拠をわかりやすく解説することなく、ほかのユーザーを煽り続けたためここで小さな火の手が上がりました。

「故・金子勇氏は犯罪者」発言

 続いて大澤昇平さんが燃え上がったのは、P2Pソフト『Winny』を開発したことで知られる47氏こと故・金子勇さんを犯罪者と呼んだ11月11日のツイートです。

 故・金子勇さんは『Winny』を開発したことで著作権法違反幇助の疑いで逮捕されましたが、高裁で無罪判決が出ており犯罪者ではありません(検察による最高裁への上告も棄却)。

 そのため「無罪になっており、犯罪者ではない」との指摘が相次ぎましたが、大澤昇平さんは「違法ダウンロード犯罪者が集団催眠にかかって俺にテロを仕掛けてるようにしか感じない」、「俺が法律だ」と持論を展開。

 無罪の人間をネット上で犯罪者呼ばわりしたことから、ますます攻撃されるようになりました。

「中国人は雇わない」発言で大炎上

 ここからなぜか11月19日に「『Winny』の開発には中国共産党が関与している」と言い始めました。

 翌20日にはその流れで「中国人は採用しません」、「中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えない」、「中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」、「だったら告訴してみろよ」と煽り続けたことからまたまた炎上します。

 結果としてこの「中国人は採用しません」という差別発言がトドメとなり、まずは11月24日に東京大学大学院情報学環・学際情報学府が「彼は特定短時間勤務有期雇用教職員であり、発言は教員個人または兼務先組織に関するものであり、学環・学府の活動とは一切関係がありません」と切り捨てるかのような見解を発表。

 あわせて見解のなかで「学環・学府構成員から、こうした書き込みがなされたことをたいへん遺憾に思い、またそれにより不快に感じられた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪しました 。

 続いて同日、大澤昇平さんが担当する同大学院寄付講座に寄付をしているマネックスグループ株式会社が「当社としては、本特任准教授の価値観は到底受け入れられるものではなく、書き込みの内容及び現在の状況に関して、極めて遺憾であります。以上のことから、今後、本特任准教授の本講座に対する寄付は速やかに停止する方針です」と発表

 さらに同じく寄付元の株式会社大広が11月25日に「今回の当該准教授の投稿は弊社の方針とは大きく異なり、遺憾であります。当社と致しましては、今後の本講座に対する寄付を中止する方針とさせて頂きます」と発表

 株式会社オークファンも同日「この度の本特任准教授による特定の個人及び特定の国やその国の人々に対する不適切な書き込みは、当社の経営方針とは著しく乖離しており、到底容認できるものではありません」と、「寄付は速やかに停止する」との方針を発表しました。

 ネット上だけだった炎上は、もはや取り返しのつかない事態となりました。

発言は「株式会社Daisyの立場としてのもの」

 これら一連の発表に対し大澤昇平さんは11月25日、「炎上の原因となったツイートは株式会社Daisyの代表という立場からの発信であり、東京大学とは関係ない。当社としてどのような対応を取るのかについては関係者と協議の上発表します。不当な「数のテロリズム」に屈するつもりはありません」との声明を発表します。

 差別発言はあくまでも会社組織の立場でしたものであり、「東京大学は関係ない」との姿勢を貫きました。

 しかしながら本日11月27日、株式会社Daisyと提携していたスイスのデータプラットフォームStreamrも「将来、もっとも強力なイノベーションとなる人工知能があからさまに差別する人によって開発されるのは恐ろしいことです」との代表のコメントとともに、同社との提携を解消したと発表

 株式会社Daisyにも火の手が燃え移ったかたちです。

大澤昇平さんは炎上に向かって一直線だった

 一連の流れを見ていた筆者としては、大澤昇平さんが当初は真面目に対応していたものの途中からわざと炎上しようとしていたように見受けられました。

 ほかのユーザーからの口撃(攻撃)に耐えきれなくなったのか、それともほかの理由があったのかはわかりません。しかし大澤昇平さんは途中からかなり攻撃的になり、炎上に向かってフルスロットルでした。

 『Twitter』では寄付講座の関係者を名乗る人物が、「本人は炎上商法だと言って聞かない」といったことを述べていたことも確認しています。

 実際、この炎上をきっかけに大澤昇平さんの『Twitter』でのフォロワー数は当初よりも約1.7倍(4,000→7,000)に増えており(記事執筆時点)、『Twitter』での注目を集めることには成功したと言えます。

 けれど今回の件は、そうした炎上商法だとしてもかなり脇が甘かったのは否めません。

 というのも大澤昇平さんは「発言は株式会社Daisyの代表としてのもの」だと主張していますが、『Twitter』上のプロフィールに書いてある肩書は東大特任准教授だからです。大澤昇平さんが株式会社Daisyの所属かどうかは発言をさかのぼらないかぎりわかりません。

 日本を代表する大学である東大の准教授がネット上でほかのユーザーを煽っているとなれば、それはもう炎上し、東大が謝罪する未来しか見えません。

炎上商法は本人のブランドを傷つける行為

 炎上商法で注目を集める方法は、お金がない人からすると有効かもしれません。しかし、その代償として本人の信用はもとより周りの関係者のブランドも傷つけてしまいます。

 そしてそれをもとに戻すことは、並大抵の方法ではできません。

 大澤昇平さんが今後どのような対応をするのかはまだ発表されていませんが、一連の発言について謝罪し、なぜ謝罪する必要があるのかを学ばれた方が良いと思います。

 あと、炎上商法はマジでやめましょう。立場がある人であるほど誰も得しません。