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「カネ恋」最終回も話題に。収まらない三浦春馬さん追悼の声と竹内結子さん「死」の衝撃

篠田博之月刊『創』編集長
三浦春馬さん扮する「キンキーブーツ」のローラ(海扉アラジン・作)

「カネ恋」最終回のメッセージに多くのファンが涙

「カネ恋」ことTBSドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の最終回は視聴率が関東地区で10・9%(ビデオリサーチ調べ)。最後の画面に映し出された「春馬くん ずっと大好きだよ キャスト・スタッフ一同」という文字に多くのファンが涙したようだ。

 この後、12月11日に映画『天外者(てんがらもん)』が公開予定だが、三浦さんへの大きな関心や悲しみはいまだに衰えていない。これまでも芸能人の死にファンが衝撃を受けるという事例は数多くあったが、三浦さんについては、それまで特にファンでなかったという人にもその思いが大きく広がっているのが特徴だ。その死が多くの人の琴線に触れ、「共振」のような現象を引き起こしている。「三浦春馬現象」とでも呼べるひとつの社会現象になっている感がある。

 さらに9月27日、三浦さんと最近の『コンフィデンスマンJP プリンセス篇』でも共演していた竹内結子さんが死を遂げた。今年1月に出産したばかりで、母親が幼い子を残して死を選ぶという事件は多くの人に衝撃を与えた。昨年『長いお別れ』で共演した俳優の山崎努さんが『週刊文春』10月8日号で「残念でならない」と語った後、こう述べている。「まだ若く、乳飲み子を抱えた彼女がなぜ死を選んだのかは分かりません」「不幸な出来事が続いていますが、もしかしたら誰もが追い詰められ、紙一重の状況にあるのかもしれないね」

 この9月には、俳優の芦名星さん、藤木孝さんの死もあった。芦名さんは、『女性セブン』10月8日号によると、インスタグラムの裏アカウントに9月5日にこう投稿していたという。「そっちはどう? こっちはなかなか(笑)会いたい。ふつーに会いたいよ」

 この連鎖とも呼べるような事態に、報道のあり方を含めて議論が起きている。山崎さんの言うように、生きづらさを抱えた多くの人が「追い詰められ、紙一重の状況にあるのかもしれない」。この悲しむべき連鎖にどう対処したらよいのか、亡くなる前に何かできることはなかったのか、考えることは必要だ。

三浦春馬さんの死をめぐる多くの人たちの悲痛な声

 さてこのヤフーニュースにも8月末と9月6日に三浦さんの死について書いたが(下記記事)、両方合わせると300万近いアクセスがあった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20200831-00196020/

いまだに衝撃が収まらぬ三浦春馬さんの死を私たちはどう受け止めるべきなのだろうか

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20200906-00196860/

三浦春馬さんの死への社会的関心の驚くべき大きさと事務所が新たに公表した情報について

『創』編集部にもたくさんのメールや手紙、電話が寄せられ、電話口で話しながら泣いている人もいた。それらの幾つかは、10月7日発売の月刊『創』11月号で「三浦春馬さんの死をめぐる多くの人たちの悲痛な声」と題して掲載させていただいた。

 『創』11月号では三浦春馬さんの「死」をめぐる特集記事を、ヤフーニュースに載せた記事を含めて3本載せている。そして表紙は、この記事の冒頭にある切り絵。三浦春馬さんのミュージカル『キンキーブーツ』のローラを描いた海扉(かいと)アラジンさんの作品だ。三浦春馬さんを描いた切り絵は4点あり、一緒に仕事をしている空羽(くう)ファティマさんの文章とともに掲載した。

 彼女の記事については後でもう一度触れることにして。まずは『創』に掲載した。ヤフーニュース記事を読んだ方々からの投稿から幾つかを紹介しよう。まずはツイッターでのコメントだ。

《篠田様の記事を読んで自分の部屋に急いで入り号泣しました。50代で主人もおり息子も娘も春馬さんと同年代です。特別熱烈なファンではありませんでしたが、彼の自死のショックは自分の想像を越え4キロ痩せ、朝起きてから夜寝るまで「何故?」「どうして」「救えなかったのか?」の繰り返しです。》

「紐を首にあててみたりしてハッと現実に戻り…」

《突然のメール送信をお許しくださいませ。また素人ゆえ、多少ご理解いただきづらい文章となっておりますこと重ねてお許しくださいませ。

 先日の記事を拝読し、三浦春馬さんの急逝後、私の中でずっとザワザワとした思いをやっとジャーナリストの方が記事として載せてくださったと非常に救われた思いがいたしました。本当にありがとうございます。

 私も篠田さまが例にあげられていた方々と同様、彼の大ファンだったというわけでもない者です。たまたま画面に三浦春馬さんが出ておられたら、美しいだけでなく言葉の選び方や周りの気遣いなど「とても感じの良い青年だな」と好感を持って視聴いたしておりました。

「世界はほしいモノにあふれてる」は仕事関係でチェックした事をきっかけに上質な内容とMCお二人の絶妙なやりとりが前に出過ぎず引き過ぎず、絶妙なバランスで表現されていたのが心地良く好きになった番組です。

 そこでの三浦春馬さんは上品でチャーミングでそして時折やんちゃで、それでもちゃんとご自分の考えや感じたことをとても美しい日本語で丁寧にお話されていたのが印象的でした。

「せかほし」での三浦春馬さんが私はとても好きだったようです。と、言いますのは亡くなられてから私自身が衝撃と悲しみから抜け出せず2カ月近く経った現在も常に春馬さんのことを思い涙ぐむ毎日となってしまったからです。

 衝撃の出来事と予期せぬ自分の状況に混乱しながらもどんどん春馬さんにのめり込んでしまい、考えて考えて考え過ぎて動悸が激しくなったり、春馬さんは最後にあの美しい澄んだ瞳にいったい何を映したのかと自宅のクローゼットを開け紐を首にあててみたりしてハッと現実に戻り、いよいよ自分の行動が怖くなっております。(略)

 三浦春馬さんの一部を掲げさせていただきましたが、このような責任感も人一倍お持ちの方が7月18日の仕事が入っている日に逝ってしまわれたのはなぜでしょうか? わかりません。それなら「もういい」と絶望した要因は何だったと考えられるのでしょうか? 

 是非とも真実を究明していただいて今後同じような犠牲者を出さないようにしていただきたく存じます。是非悲しみの闇に彷徨える私達をお救いくださいませ。そして私達にできることがあれば是非お声をあげてください。切にお願い申し上げます。》

「友人も皆、春馬さんの話ばかりです」

《篠田様が仰るように、今、春馬さんのことの反響が凄く大きいと思います。私の友人も皆、彼の話ばかりです、男女問わず…。

 うつ病だったなら、あんなに精力的に仕事ができるものなのでしょうか? 大型バイクの免許も取られていたとか… 前日、前々日の落ち着いた語り口、笑顔に謎は深まるばかりなのです…

 発作的になら、そんなこと絶対に起こさせないように、大切な人を守らないといけないです。できるなら、専門家に分析して貰いたいくらいです。このまま風化させたくないと強く思っています。(略)

 ネットニュースに、いつまで春馬さんのことが出るか… 新しい情報を目にしても辛いし、でも、出なくなってしまうことが1番悲しいです。

 自分はいつまでも引きずって、大人気ないのかもしれませんけど…そろそろ2カ月経つのに気持ちが晴れません。どうしたらいいのか…》

「辛くて堪らない日々を未だに送っております」

《私は三浦春馬さんからすれば親世代です。子役の頃から、それこそ子供の成長を見守るかのように、活躍ぶりを見て参りました。なので彼の逝去に関しては、もう本当に辛くて辛くて堪らない日々を未だに送っております…春馬さんを知れば知るほどより一層、彼の素晴らしい人となりを思い知らされ、喪失感や虚無感、絶望感までもが襲う次第です。

 先日の事務所のコメントはやはり違和感だらけで、到底受け入れられないものでした。当初からの対応で不信感しかありません…私は今までSNS自体苦手で扱わなかったのですが、今回の事で少しその世界を覗いて見る事にしました。するとそこに溢れるコメントは、いたたまれないようなものも沢山あり、やり切れないのです。

 私も半世紀以上生きてきて、芸能界の闇の深さもそれなりに理解しているつもりでしたが、現状SNSで上がっている春馬さんに関する事柄が事実ならば本当に恐ろしい…(略)

 皆さんの春馬さんへの想いにどうにかならないのか?と苛立ちが募る一方です。あの日の春馬さんの胸中は察するに余りある…想像を絶して只々心身が引き裂かれんばかりです…》

空羽ファティマさんの文と海扉アラジンさんの切り絵

 前述した空羽ファティマさんの文章も一部紹介しよう。

《俳優・三浦春馬さん(30)の突然の死が、今まで彼のファンでなかった人たちにも「何故ここまで 喪失感で打ちのめされるのか 自分でもわからない」という大きな衝撃を2カ月経った今も与えるのは、「容姿端麗の天分に溺れず謙虚で自分に厳しく、人に優しく忍耐強く努力家で品がありいつも笑顔」という「日本人の鏡」と言える彼でさえも生きてはいけない社会に絶望したからではないか?

 多彩で完璧なパフォーマンスの裏には、信じられない努力と作品の持つメッセージを届ける為の妥協を許さぬ練習があり表現を追求し続けてきた彼の覚悟に圧倒される。

……「日本のミュージカルを活性化する大きな歯車に」「未来の自分に言い訳しないための努力」「世界に向けて発信する俳優に」……未来を見据えた意欲ある言葉。

 演技の幅を広げようと日本舞踊、英語、ダンス&ボイストレーニング、ジム、殺陣……。剣術の師、楠見氏は影に隠れた努力が人の10倍あったと語る。

 この世を去る日を7月18日に選んだのは、「味方だよ」と常に優しかった彼が、悲しむであろうファンを慰めようと、超魅力的な天才恋愛詐欺師ジェシー役で出演した映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』のテレビ放送日だったからではないか。

 映画の冒頭に流れる言葉は

《目に見えるものが真実とは限らない》

三浦春馬さん扮するローラ(海扉アラジン・作)
三浦春馬さん扮するローラ(海扉アラジン・作)

 人々を癒した無邪気な笑顔の下には、人知れぬ悩みや葛藤があったであろう彼の死を受け入れ、「作品の中に彼は生きている」という正しい落とし所にたどり着く前に命を絶つしか、残されていなかった彼の痛みの前に立ち止まり、心に問うことから逃げたくないと思う。

 年間2万人が自ら死を選ぶ日本。

 表現者として生き「俳優は”想像力”を与える仕事」と語る彼は【死という最後の表現の舞台】を通して世間に何かを伝えたかったのではないか? その問いに、彼が私達に与え続けてくれた”想像力”を使って応えたい。死を受け入れ、作品の中の彼を愛でるのは、その後でも遅くはない。》

 全文はヤフーニュース雑誌に公開したので、下記からアクセスしてほしい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8b3cd0520730a59ce2e163c9ec4b011531fd879d

死という最後の舞台に三浦春馬さんは何を込めたのか 空羽ファティマ/海扉アラジン

 彼女も9月初めのヤフーニュースの記事を見て連絡してきた女性だが、読者からの投稿は今後も可能な範囲で紹介していこうと思うので、『創』編集部へ寄せてほしい。

mail@tsukuru.co.jp

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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