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美女ゴルファーにツヨカワ19歳などが火花散らす韓国女子ゴルフのナショナル・タイトルとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
昨年の優勝者オ・ジヒョン(写真提供=KLPGA)

KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)ツアーのメジャー大会である『KIA自動車第33回韓国女子オープン』が本日6月13日から開幕する。

それを取材するために昨日も試合会場となる仁川ベイズ・ベストチョンラゴルフクラブに行ってきたが、「韓国最高のナショナル・タイトル」と呼ぶにふさわしく、練習日から熱気があった。

昨年の優勝者であるオ・ジヒョンからキム・ジャヨン、キム・ジヒョン、キム・ヘソン、パク・キョル、イ・ダヨン、イ・ソヨン、イ・スンヒョンら“KLPGAの顔”とも言うべきKLPGA広報モデルたちも揃い踏みで豪華絢爛という印象だ。

(参考記事:イ・ボミやアン・シネも選ばれた「美女ゴルファー」の証!! KLPGA広報モデル10年分を大公開

そもそも韓国女子オープンは1987年にスタート。翌1988年にはKLPGAが韓国プロゴルフ協会から独立して正式に立ち上がり、韓国女子オープンはKLPGAのメジャー大会として常に話題を振りまいてきた。

現在は日本で活躍する申ジエ(2006年、2008年)、アン・ソンジュ(2007年)も優勝しており、“オシャレ番長”の異名で“韓国美女ゴルファー神セブン”に名を連ねたことがあるヤン・スジンも2010年に韓国女子オープンを制して人気が急上昇した。

最近ではチョン・インジ(2013年)、キム・ヒョージュ(2014年)、パク・ソンヒョン(2015年)などが優勝している。いずれも10代で韓国女子オープンを制した3人は、メジャータイトル優勝でその成長にさらなる弾みをつけて、賞金女王や年間MVPなど韓国国内の個人タイトルを総なめにし、現在はアメリカを主戦場としているが、今年は彼女たちに続く新しい“ツヨカワ10代”が注目を一身に浴びている。

(参考記事:日本だけじゃない!! アメリカで活躍する“韓国女子ゴルフ”ツヨカワ10傑を一挙公開

以前、本欄でも紹介した1999年8月23日生まれの19歳、チェ・ヘジンがそのひとだ。2017年に高校生アマながらKLPGAツアーで2勝、全米女子オープンでは準優勝し、昨季もプロ転向1年目ながら2勝を挙げて新人王と大賞(年間MVP)にも輝いた“恐るべき10代”は、今季も絶好調。

4月にはかつてアン・シネも制したメジャー大会である『KLPGAチャンピオンシップ』を制し、5月には『NH投資証券レディース』に優勝。先週6月9日には『S-OILチャンピオンシップ』も制して早くもシーズン3勝を挙げており、10代にして“完全無欠”とも称されている。今日から始まる韓国女子オープンでもダントツの優勝候補に挙げられているのだ。

(参考記事:韓国女子ゴルフ界の“怪物”チェ・ヘジンは、どうやって「欠点なしゴルファー」になったのか

興味深いのはこのチェ・ヘジンだけでなく、チョ・アヨン、イム・ヒギョン、パク・ヒョンギョンなど“2000年生まれ三銃士”と呼ばれる若手にも注目が集まっていることだ。日本女子ゴルフ界でも昨今、1998年~1999年生まれの“黄金世代”が何かと注目を集めているが、韓国ではさらに若い選手たちが頭角を現しているのだ。

そんな若手の台頭に負けじと、日本でも活躍したキム・ヘリムや昨年アメリカツアーから韓国復帰したチャン・ハナなど、KLPGAツアーの実力者たちも優勝を虎視眈々と狙っている。

そればかりかアン・シネ、ぺ・ソンウなど、日本ツアーを主戦場とする選手も、韓国女子プロゴルフ界のナショナル・タイトル奪取を狙って、仁川に乗り込んできている。

総勢144名の選手たちが優勝賞金2億5000万ウォン(約2500万円)、賞金総額10億ウォン(約1億円)をかけて4日間の熱戦を繰り広げる『KIA自動車第33回韓国女子オープン』。今日から始まる熱戦の行方に注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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