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2024年新年深夜にもテルアビブでハマスからのロケット弾をアイアンドームで迎撃「花火ではない」

佐藤仁学術研究員・著述家
2024年新年からアイアンドームでハマスからのロケット弾を迎撃(写真:ロイター/アフロ)

地元メディア「新年からの激しいロケット弾幕」

2023年10月7日に、イスラエルに向けて武装組織ハマスから大量のロケット弾が発射された。イスラエル国防軍によるとハマスが攻撃してから2週間で7000発以上のロケット弾がイスラエルに向けて撃ち込まれていた。2か月以上が経過した現在でも武装組織ハマスのロケット弾の在庫は尽きていないようで、執拗なロケット弾攻撃は続いており、イスラエル軍ではハマスからの大量のロケット弾の攻撃に対して、朝から晩までアイアンドームで迎撃してイスラエル領土をロケット弾から防衛している。

そして2023年12月31日大晦日の深夜から2024年1月1日の新年にかけて、イスラエルで最大の都市テルアビブに向けて、武装組織ハマスが大量にロケット弾を大量に撃ち込んできた。それらの大量のロケット弾を迎撃していたのもアイアンドームだった。イスラエルの地元メディアのタイムズ・オブ・イスラエルでは新年早々の武装集団ハマスからのロケット弾攻撃を「新年からの激しいロケット弾幕(heavy New Year rocket barrage)」と表現して報じている。テルアビブの各地で新年を祝うために街やビーチに出てきた人たちも多かった。新年を祝う花火かと思っていたら、アイアンドームでロケット弾を迎撃していた上空の様子の動画がSNSにも多く投稿されている。

アイアンドームはイスラエルの軍事企業のラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズとイスラエル国防軍で共同開発し、2011年に完成した。アイアンドームは地上にいる人たちや建物への攻撃を回避させダメージを最小化させることが目的。アイアンドームは上空のロケット弾やドローンをレーダーが察知して迎撃ポイントを瞬時に計算すると、地上からミサイルが発射されて、地上の標的が攻撃されて大惨事になる前に、敵のロケット弾や攻撃ドローンを上空で爆破している。ドームといっても東京ドームのように屋根で覆われているわけでなく、ミサイルを発射して上空で破壊し迎撃している。

ミサイルを発射してロケット弾や安価なドローンを迎撃しているのでコストパフォーマンスは決して高くはない。だが、現在のイスラエルにとって国土と市民の安全な生活の防衛のためには不可欠な兵器になっている。敵軍のロケット弾やミサイルを迎撃して破壊する確率は9割を超えていると報じられているが、現在の武装組織ハマスからのロケット弾をどのくらいの割合で命中して破壊しているのか具体的な数字は明らかにしていない。

アイアンドームで武装組織ハマスからのロケット弾を迎撃しているシーンを撮影したショート動画は多くSNSに掲載されている。昼間では太陽が出て明るいので、アイアンドームで迎撃しても白い煙が映っているだけだが、夜間でのアイアンドームでの迎撃は空が暗いので、迎撃してロケット弾を破壊しているシーンが鮮明である。今回、新年にテルアビブでアイアンドームに迎撃されたロケット弾も「花火ではなくハマスからのミサイル」とSNSで書かれているように、あたかも花火のように見える。

▼新年のテルアビブ上空でアイアンドームでロケット弾を迎撃

▼アイアンドームの仕組み

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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