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ウクライナ、ロシア軍が敷設した全ての地雷や爆弾の撤去には757年かかる

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年9月にウクライナのメディアのUnited24が、ウクライナにおけるロシア軍の地雷や爆弾の敷設状況と撤去の困難さを伝えていた。

ウクライナのメディアUnited24によると、ロシア軍は少なくとも13種類の地雷や爆弾を使用しており、茂みや草原などに敷設することによって見えないが、触ってしまうと大爆発してしまうので非常に危険である。「地雷や爆弾は何世紀ということはないだろうが、何十年間はウクライナの台地に隠れているだろう」と伝えていた。また動画の中ではウクライナに敷設された地雷は全て除去するのに757年はかかるだろうと他機関の調査を元に伝えている。

▼ウクライナのメディアUnited24が伝えるウクライナの地雷の状況

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してから、ロシア軍は大量の対人地雷、戦車用の地雷をウクライナの最前線に設置している。ロシアは対人地雷の使用、生産、移譲などを禁止しているオタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に加盟していない。

多くのウクライナ兵や一般市民が対人地雷の犠牲になっている。地雷では殺害されることはほとんどないが、手足が吹っ飛んでしまう。また小型のおもちゃのようにも見える対人地雷は子供や一般市民が拾ってしまい、爆発したら手足が吹っ飛んでしまう大けがをすることになる。地雷の他にも不発弾や、迎撃されたが上空で爆発しないで墜落した「爆弾を搭載した神風ドローン」なども地上に散乱しており、それらも何も知らずに踏んだり触ったりしてしまうと爆発する危険性がある。

ウクライナ政府やウクライナ軍は欧米諸国が軍事支援で提供してくれたり、ウクライナの農民自らが独自に開発したりした地雷除去用の無人車などで地雷原で地雷の除去をしてきた。しかし地雷除去車は足りていない。

そしてこのような大型の地雷除去者は稼働するときに大きな騒音を伴うデメリットがある。「無人地雷除去車」は鉄の塊やチェーンで草原の地雷を探知し、地雷を探知したら爆破して除去する。鉄の塊やチェーンが回るたびに、そして主に対戦車地雷を除去する際の爆発に大きな音がする。そのため、すぐにロシア軍に発見されて攻撃の標的にされてしまう。

▼地雷の検知と除去に大きな騒音がするのでロシア軍にすぐに発見されて攻撃の標的にされやすい「無人地雷除去車」

地雷の他にも不発弾や、迎撃されたが上空で爆発しないで墜落した「爆弾を搭載した神風ドローン」なども地上に散乱しており、それらも何も知らずに踏んだり触ったりしてしまうと爆発する危険性がある。対戦車地雷は戦車を撃破することを目的にしているので破壊力も強い。人間が対戦車地雷と知らずに触ってしまったら大爆発して死亡する可能性が高い。

そしてロシア軍はウクライナに侵攻してから勝手に対人地雷、対戦車地雷を敷設しており、ウクライナ政府職員やウクライナ軍の兵士が地雷を探知したら丁寧に爆破して除去している。人間の兵士が地雷を探知して除去するのは大変な作業で危険を伴っている。United24によると1日に除去できるのは15メートルから25メートル程度だそうで、かなりの時間もかかる。

対戦車地雷のように道路に置いてあり、上空からも目立って見える地雷はドローンで見つけてドローンから爆弾や手榴弾を投下して地雷ごと爆破している。だが多くの地雷は草原や茂みなど目立たないところに敷設されていて、兵士や一般市民が地雷とわからずに触れてしまい爆発している。そのため地雷の探知と除去も命がけである。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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