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背中に火炎放射器を搭載した犬型ロボット:米国企業が開発・2023年内に商用化

佐藤仁学術研究員・著述家
(THROWFLAME提供)

米国の火炎放射器メーカーのTHROWFLAMEが背中に火炎放射器を搭載した犬型ロボット「Thermonator(サーモネイター)」を開発して動画も公開されていた。2023年中に商用化される。

火炎放射器は民生品としても雑草の除去などで農業用としても使用されることも多いが、軍事用としての歴史も古い。いわゆる軍用火炎放射器で対象物を徹底的に焼却することができる。

ホロコースト時代のポーランドを舞台にした映画「戦場のピアニスト」の中でも、ナチスドイツの兵士がユダヤ人の主人公のピアニストのシュピルマンが隠れているポーランドの建物を火炎放射器で焼き尽くしているシーンがある。戦争映画などでも火炎放射器はよく登場してくるので見たことある方も多いかもしれない。

また建物の焼却以外にも戦場ではテロリストや地元のパルチザンなどが茂みに隠れることができないように茂みを火炎放射器で焼却している。また侵攻する際に竹藪や森林などで見通しが悪い地域を焼き尽くして侵攻の道を開拓するためにも火炎放射器で竹藪などを焼き尽くすことが多い。通常、このような火炎放射器は人間の兵士が背中に背負って、人間の兵士が焼却する標的をめがけて放火している。

犬型ロボットはボストン・ダイナミクスなども開発しているが、人間が入って行くことができないエリアにも入っていくことができるのが特徴の1つである。火炎放射器を搭載した犬型ロボット「Thermonator(サーモネイター)」であれば人間の兵士の入っていけない深い茂みや、敵軍が支配している領地、敵軍の塹壕の中などにも入っていき、敵軍を徹底的に焼き尽くすこともできるようになるだろう。

▼背中に火炎放射器を搭載した犬型ロボット「Thermonator(サーモネイター)」

▼映画「戦場のピアニスト」オフィシャルトレーラーの中でもナチスドイツの兵士がポーランドの建物を火炎放射器で焼き尽くすシーンが見られる(0:58あたり)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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