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ウクライナ軍、世界中からの寄付で国内外から民用品・軍事ドローン1577機調達・928機が既に戦場へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(UNITED24提供)

ここ3か月でウクライナ製だけでなく中国・ポーランド製など1400機調達「上空からの目」として監視・偵察、攻撃に欠かせないドローン

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民用品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。そして両軍でドローンの撃墜が繰り返されている。

最近ではロシア軍による大量のイラン製軍事ドローンでのウクライナへの奇襲が目立っている。ウクライナの民間施設やエネルギー施設への攻撃によって150万人以上の市民への電力供給が止まってしまったり、一般人(非戦闘員)の犠牲者が出るなど国際人道法(武力紛争法)に違反した攻撃をしかけている。ウクライナ軍もロシア領内の空軍基地に神風ドローンによる攻撃を行っていると報じられていた。

ウクライナ政府はウクライナ軍が監視・偵察、攻撃で使用するためのドローンを調達するために、政府が運営しているメディアを通じて世界中に寄付を呼びかけている。「drone(ドローン)」と「donation(寄付)」を掛け合わせて「dronation(ドロネーション)」という造語も作っている。

そして2022年12月31日に調達したドローンが1577機に到達し、既に928機が戦場に投入されたと報告していた。ウクライナ政府によると、ここ3か月で1400機のドローンを購入。

ウクライナ軍が調達しているのは「PENGUIN C-MIL MK 2 UAS」(監視・偵察)、「PUMA-LE」(監視・偵察)、「UKRJET」(監視・偵察)、「SKYETON」(監視・偵察)、「SKIF」(監視・偵察)、「DJI MAVIC 3 FLY MORE COMBO」(監視・偵察)、「DJI MATRICE RTK 300」(監視・偵察)、「FLYEYE 3.0」(監視・偵察)、「FLIRT CETUS」(監視・偵察)、「WARMATE 3.0」(攻撃)などウクライナ製のドローンだけでなく中国製やポーランド製など民用品ドローンから軍事ドローンまで様々なドローンである。

民用品ドローンは監視・偵察としての使用だけでなく小型爆弾や手りゅう弾を搭載して標的のロシア軍に投下したり、突っ込んでいき爆破したり、攻撃ドローンにもなる。民用品ドローンと攻撃ドローンの境目がなくなったことはウクライナ戦争における戦術の特徴の1つである。

ウクライナ軍だけでなく、ロシア軍もドローンを監視・偵察、攻撃で多く使用している。「上空からの目」として戦場では欠かせない兵器の1つになっている。上空から敵の様子を探り、敵を発見したら、その場所をめがけてミサイル攻撃を行ったり、ドローンから爆弾を投下したり、神風ドローンが標的に突っ込んでいき爆発している。これほど多くのドローンが戦場で活用されているのは人類の戦争の歴史上でも初めてであろう。

ロシア軍はロシア製の監視・偵察ドローンや攻撃ドローン、さらにイラン政府が提供している攻撃ドローン「シャハド136」などを大量に導入してウクライナ領内で監視、攻撃を行っている。ウクライナ政府はさらに多くのドローンがこれからも必要になることから世界中に寄付を呼びかけている。

▼ウクライナ政府の報告

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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