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ロシア軍、イラン製神風ドローン「シャハド136」6機で首都キーウ近郊の建物に突っ込み破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物(写真:ロイター/アフロ)

首都キーウに一番近いところへの神風ドローンによる攻撃

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ロシア製の攻撃ドローン「KUB-BLA」や「ZALA KYB」で攻撃を行っている。だがウクライナ軍による地上からのドローン迎撃も激しく、ロシア軍の多くのドローンが破壊されたり、機能停止されたりしている。ロシア軍は最近では攻撃用のドローンとしてイラン政府から提供された「シャハド136(Shahed136)」を頻繁に使用している。

そして2022年10月にウクライナの首都から南西に約75キロの都市ビラ・ツェルクヴァの建物にイラン製の軍事ドローン「シャハド136」6機が突入して破壊したとウクライナ当局が発表した。ロシア軍がウクライナに侵攻してから首都キーウに一番近いところに神風ドローンが突入したと報じられている。

ウクライナ空軍のスポークスマンのユリー・イーナット氏によると神風ドローンはロシア軍に占領された南部地域から発射されたもので、今回突撃してきた6機とは別の6機は標的を爆破する前に上空で破壊することができたと伝えている。またウクライナ空軍のスポークスマンは「イラン製の軍事ドローンは新たな脅威であり、徹底的に抗戦していかないといけない」と語っていた。

神風ドローンなど攻撃ドローンは戦車や戦艦、軍事施設に突っ込んでいき、それらの破壊によく使用されている。今回ウクライナの首都キーウの近くの都市の建物に神風ドローンが突っ込んできたことでインパクトも大きくウクライナだけでなく、欧米のメディアも多く報じている。

▼キーウ近郊の都市の建物にイラン製神風ドローンが突撃したことを報じる米国メディア

「シャハド136」は標的を見つけると、標的に向かって爆弾を搭載したドローン自身が突っ込んでいき爆破するタイプのいわゆる「Kamikaze drone(神風ドローン)」である。

攻撃ドローンは「Kamikaze drone(神風ドローン)」、「Suicide drone(自爆型ドローン)」、「Kamikaze strike(神風ストライク)」とも呼ばれており、標的を認識すると標的にドローンが突っ込んでいき、標的を爆破し殺傷力もある。日本人にとってはこのような攻撃型ドローンの名前に「神風」が使用されるのに嫌悪感を覚える人もいるだろうが「神風ドローン(Kamikaze Drone)」は欧米や中東では一般名詞としてメディアでも軍事企業でも一般的によく使われている。今回のウクライナ紛争で「神風ドローン」は一般名詞となり定着している。ウクライナ語では「Дрони-камікадзе」(神風ドローン)と表記されるが、ウクライナ紛争を報じる地元のニュースでもよく登場している。今回の「シャハド136」がキーウ近郊の都市の建物に突っ込んだことを伝えるニュースでも「Kamikaze drone」と紹介されている。

ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物
ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物写真:ロイター/アフロ

ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物
ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物写真:ロイター/アフロ

ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物
ロシア軍の神風ドローンで破壊されたキーウ近郊の建物写真:ロイター/アフロ

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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