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ハンガリー、ウクライナでロシア軍攻撃に貢献しているトルコの軍事ドローン「バイラクタル」購入に意欲

佐藤仁学術研究員・著述家
トルコ製の軍事ドローン「バイラクタルTB2」(写真:ロイター/アフロ)

ハンガリー軍がトルコ製の軍事ドローン「バイラクタルTB2」の購入を予定しているとトルコの地元メディアAAが報じていた。ハンガリーのイノベーション・テクノロジー省のラースロー・パルコヴィチ大臣がトルコを訪問している際に語っていた。

トルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」はウクライナ紛争でウクライナ軍によっても多く活用されている。2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く使われているが、その中でもウクライナ軍は「バイラクタルTB2」でロシア軍の装甲車を上空から破壊してロシア軍による侵攻を食い止めている。ロシア軍侵攻直後の2022年2月にはトルコ製軍事ドローン「バイラクタルTB2」がキーウ北西約100キロの町でロシア軍の進軍を防ぐことに成功したと発表し、ロシア軍の装甲車を破壊する動画も公開していた。そのためウクライナでは「バイラクタル」はロシア侵略阻止の代名詞のようになり歌にもなってウクライナ市民を鼓舞している。

ウクライナ軍がトルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」を活用してロシア軍を多く攻撃している。そして爆破に成功するたびに上空からの動画をSNSで公開して世界中にアピールしている。

最近では「バイラクタルTB2」によるロシア軍への攻撃も日常化してきて、ほとんどニュースで取り上げられなくなってしまった。だが、開戦当初はトルコの軍事ドローンによる攻撃でロシア軍の侵攻を阻止していたことに大きなインパクトもあり「バイラクタルTB2」の知名度をウクライナ国内だけでなく世界中に広めていた。

リトアニア市民やポーランド市民からのクラウドファンディングによる募金でも「バイラクタルTB2」を購入してウクライナ軍に提供する予定だったが、「バイラクタルTB2」を製造しているバイカル社はウクライナ軍に無償で同機を提供して「集まった費用は人道的な支援に使用してください」と語っていた。

ロシアのプーチン大統領もトルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」の購入に強い関心を示しているという報道に対して、バイカル社としてはロシアには売りませんとSNSで宣言していた。

▼トルコの軍事ドローン「バイラクタルTB2」

ウクライナ紛争の実戦でも多く使われている軍事ドローン

トルコは世界的にも軍事ドローンの開発技術が進んでいるが、バイカル社はその中でも代表的な企業である。同社の軍事ドローン「バイラクタル TB2」はウクライナだけでなく、ポーランド、ラトビア、アルバニア、アフリカ諸国なども購入。アゼルバイジャンやウクライナ、カタールにも提供している。2020年に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフをめぐる軍事衝突でもトルコの攻撃ドローンが紛争に活用されてアゼルバイジャンが優位に立つことに貢献した。タジキスタンも購入を検討している。

ウクライナのゼレンスキー大統領とトルコのエルドアン大統領は2022年2月、ロシアが侵攻してくる前に共同会見を開催。ゼレンスキー大統領はエルドアン大統領に向かって「ドローン開発技術はウクライナの防衛力強化になります」と語っていた。実際にトルコの軍事ドローンはロシアにとっても大きな脅威になっている。

▼「バイラクタルTB2」を称えたウクライナの歌

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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