「オミクロン株感染拡大でも学校を開き続けるように!先生はワクチンを接種するように!」ユニセフが訴え
「子供たちは待っていられません」
日本だけでなく世界規模で新型コロナウィルスのオミクロン株の感染が拡大している。国連児童基金(ユニセフ)はオミクロン株の感染拡大の現状を鑑みて、学校が閉鎖されてしまうことによって子供の学習環境が崩壊してしまうことを懸念して「学校を開き続けるように!子供たちは待っていられません(No excuses. Keep schools open. Children can’t wait)」というリリースを出して訴えていた。
新型コロナウィルスの感染拡大によって2020年は特に世界中で学校が閉鎖された。一時的に再開されたが、2021年後半から世界規模でのオミクロン株の感染が拡大しており、再び学校閉鎖によって多くの子供たちが学校に行けず、授業も受けられずに退学したり、児童労働や児童婚を行うケースも目立っている。またメンタルヘルスに不調をきたす子供も増加した。
そのためユニセフは「学校を開き続けるように!」と訴えていた。そしてユニセフによると、約6億1600万人の子供が学校の休校の影響を受けている。またユニセフでは「先生と学校職員はワクチンを接種するように!」とも訴えていた。
オンライン学習を受けられない子供たち
ユニセフはリリースの中で「デジタルへ投資することによって、子供たちがネットへアクセスができるようになりオンラインで学習できるようになります。そのようなデジタル化が子供たちの誰一人も、教育や学校から取り残されないようになることも理解しています。子供たちが学校に戻ってきて勉強できるようになるための環境づくりに向けた大胆な行動が必要です」と述べていた。
日本でも新型コロナウィルス感染拡大によって2020年には多くの学校が休校になり、オンライン学習が導入された。小中学校は再開したが、大学では現在でもオンライン学習と対面授業のハイブリッド形式が主流だ。最近のオミクロン株感染拡大で再びオンライン学習が行われるようになってきた。
日本だけでなく世界中で新型コロナウィルス感染拡大によって学校が閉鎖され、オンライン学習やリモート学習が導入されたが、特に途上国では自宅にネットの回線がない、パソコンだけでなく学習用のスマホやタブレットを所有していない、たとえスマホを所有していても長時間の授業を受けられるほどの通信費を払えない子供が多い。
そのような子供たちはパンデミックで学校が閉鎖されてしまうと、教育を受ける機会はゼロになってしまい、また家計を助けるために働かざるをえない。特に女子は学校に行かないで家計を助けるためだけでなく、家族の世話をするためにも働くことが多い。さらに様々な犯罪に巻き込まれる可能性もある。そして学校が再開されても、授業についていけなかったり、仕事をやめるわけにいかずに学校をやめてしまうことも多い。また、たとえスマホやタブレットなど機器や回線のデジタルツールが整備され、リモート学習が可能な環境になったとしても、家では家族が多くて、狭くて自分の部屋もなくてオンライン学習で授業を受けられない子供も多い。
さらに授業は学校で受けるものという思い込みがあり「家にいるなら働いて家計を助けろ」とリモート学習に対する理解を示さない保護者への対応も必要になってくる。日本では考えられないだろうが「女子が学校に行く必要はない」「女子に教育は必要ない」と今でも本気で思っている人が多い。そのためデジタルツールの整備が完了しても、家でリモート学習ができない現在の環境と保護者のリモート学習への理解を得ることへの対応が重要になってくる。