サウジアラビア、トルコ製の攻撃ドローン購入に意欲:エルドアン大統領はギリシャとサウジの軍事演習も懸念
トルコのエルドアン大統領は、サウジアラビアがトルコ製のドローンの購入に興味を示していることを明らかにした。アルジャジーラなど中東や地元のメディアが報じている。
トルコとサウジアラビアは2018年10月にサウジアラビアのジャーナリストのカショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館を訪れて、行方不明となり、トルコ当局は、カショギ氏が同館内で殺害されたとの見解を示してから緊張関係にあり、相互で不買運動が起きていた。
トルコの攻撃ドローンの開発力は優れており、シリアやリビアでの内戦でも利用されている。またアルメニアとアゼルバイジャンの紛争でも「神風ドローン(Kamikaze Drone)」と呼ばれる標的を認識すると突っ込んでいき攻撃を行うドローンなどが使用され、アゼルバイジャンの勝利に貢献した。例えばトルコの軍事企業STM社の神風ドローン「Kargu-2」などが有名で、技術開発力も高く、多くの国がトルコのドローンに興味を示しており、サウジアラビアがトルコのドローン購入に意欲を示すのも理解できる。サウジアラビア政府はすでにトルコの民間軍事企業とも契約しており軍事ドローン開発の技術協力を受けている。
一方で、エルドアン大統領は、サウジアラビアがトルコの長年のライバルであるギリシャと共同で空軍の演習を行っていることに不快感を示していた。ギリシャとサウジアラビアが軍事演習を合同で実施すると、トルコから購入した軍事ドローンの技術情報が、トルコの敵国であるギリシャに漏洩してしまう懸念がある。エルドアン大統領は「サウジアラビアはギリシャと共同軍事演習を行っています。でも同時に我々トルコの戦闘ドローンを欲しがっています。私たちとしては、お互いに揉めることなく穏便に、この問題を解決していきたいです」と語り、サウジアラビアへの軍事ドローン販売を否定しなかった。
▼トルコのSTM社が公開している神風ドローン「Kargu-2」の紹介動画