英国防大臣「トルコ軍のドローン活用は中東北アフリカ地域での『ゲーム・チェンジャー』になる」

ベン・ウォレス国防大臣(中央)とボリス・ジョンソン首相(右)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 英国のベン・ウォレス国防大臣は2020年7月に、中東北アフリカ地域における最近の紛争でトルコによるドローンの活用が「ゲーム・チェンジ」の役割を果たしているとオンライン会合のAir and Space Power Conferenceで語っていた。ベン・ウォレス国防大臣は「我々はトルコ軍のドローンの動向、特にトルコ軍が2019年半ばからリビア内戦の紛争で活用したトルコの軍事メーカーが開発したドローン"バイラクタルTB2"には注視すべきです。このドローンを活用してトルコはリビアにおける上空からの諜報活動、監視、偵察、さらに標的への攻撃、ロジスティックを行ってきました。昨年7月にリビアのアル・ジュフラ空軍基地を攻撃し破壊しました」と語っていた。その後トルコは2019年11月にリビアと安全保障と軍事協力に関する合意を締結。国連も支援しているリビア暫定政府を支持しているトルコは、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、ロシアが支援しているリビア国民軍(LNA)と戦っている。リビアにおける存在感を高め、影響力を増している。

 またシリア国内においてクルド人勢力が台頭することを懸念してトルコはシリア北部に侵攻。シリアにおいても影響力を行使したいトルコ軍はドローンを活用している。ベン・ウォレス英国防大臣は「シリア北部でもトルコ軍の軍事ドローンでの攻撃によって、戦車、武装した車や空軍などを破壊してきました。シリアにおいて3000人以上の兵士、151台の戦車、8台のヘリコプター、3機のドローン、3機の戦闘機、8か所の防空システムなどを失ったという報告を受けました。これが本当だとすると、トルコに軍によるドローン活用は地域における『ゲーム・チェンジャー』になります」と語っていた。

神風ドローン開発も

 トルコ軍が活用しているドローンの多くはトルコの軍事メーカーが開発している。トルコのSTM社のKargu-2というドローンは「Kamikaze drone」(神風ドローン)と呼ばれ、標的に突っ込み、爆破する。顔認識機能も搭載されており、特定の人物を検知することもできる。ドローンの大群がいっせいに敵に突っ込むこともできるし、別々の場所に敵がいてもそれぞれに突っ込んで攻撃をすることが可能。敵に突っ込むと大破するので再利用はできない。

 またトルコのエルドアン大統領も2020年7月に「トルコはリビアでの情報活動、軍事活動はリビアでの戦略的な支援に大きく貢献している。そしてトルコが中東北アフリカ地域と世界でのプレゼンスを獲得し始めている。トルコは世界規模でのサイバーセキュリティ、衛星、暗号技術での情報活動で成功している。情報活動がない国は、国民が滅亡するので、トルコの脅威を一掃していかないといけない。歴史あるトルコにおいて、これからも情報活動は極めて重要だ」と語っていた。トルコ軍はNATO第2の規模を有しており、陸軍は最大だが、ドローンにおいても存在感を増している。

▼リビアにおけるトルコ軍の「バイラクタルTB2」

▼STM社の「神風ドローン」Kargu-2