英国軍、偵察用ミニドローン「Bug」公開:進む兵器の小型化と自律化
イギリス陸軍が次世代ミニドローン「Bug」を公開した。Bugはイギリスの軍事企業BAEシステムズが開発し、すでに30機を納品している。手のひらに乗る程度の大きさで200グラム以下で、40分間2キロ飛行が可能。カメラが搭載されており偵察用に利用し、攻撃能力はない。緑色にカモフラージュされたBugをイギリス陸軍は敵の行動監視に利用していく。
BAEシステムズのジェームズ・ジェラルド氏は「どのような悪天候でもBugは飛行することができます。ドローンが自律して動き、陸海空のどこにおいても、あらゆる角度からの情報を収集することができます。それによってリアルタイムに様々な情報を収集して、行動決定の助けになります」とコメントしている。
進む兵器の小型化と自律化
ドローン技術の小型化は進み、軍事での活用も進められている。今回、イギリス軍が公開した「Bug」は偵察用でカメラのみを搭載しており、ミサイルなどの攻撃能力は搭載していない。だがこのような小型ドローンに攻撃能力を搭載することは容易である。上空から偵察だけして情報を収集するよりも、偵察して危険を察知したら、その場で攻撃した方が手遅れにならずに効果的なこともある。
またAI技術の発展によって兵器の自律化も進んでおり、人間の判断を介さないで標的を攻撃する自律型殺傷兵器の開発も進んでいる。人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的であるということから国際NGOなどが自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。
2017年に公開された「Slaughterbots」(虐殺とロボットの造語)という動画では、テロリストが使用した超小型のドローンが人間を標的にして攻撃してきて、町中が大パニックになるという未来の戦争を表現している。そして自律型殺傷兵器の脅威を伝えて、開発禁止を訴えている。
▼Slaughterbots(2017年公開)