スペインのファッションブランド、ホロコースト収容所の囚人服に酷似のシャツにネット炎上し謝罪
スペインのファッションブランド「ロエベ(Loewe)」は2019年11月に、新発売を開始したシャツをインスタグラムにアップ。そのシャツがナチス・ドイツ時代の強制収容所の囚人服に似ているとネットが大炎上し、欧米で多くの人に非難された。それを受け、同社は謝罪し、そのシャツの販売を停止した。
ナチス・ドイツ時代にユダヤ人やロマ、政治犯ら約600万人が殺害された、いわゆるホロコースト。「労働を通じたユダヤ人や反ナチの絶滅」をポリシーとして掲げていたナチスは多くのユダヤ人を強制収容所や絶滅収容所に収容し、そこで強制労働を行わせていた。収容所に到着したユダヤ人らは労働に適していると判断され「選別」されると、縦縞の囚人服を着用させられて死ぬまで働かされた。働けないと判断された老人や子供は、囚人服を着ることもなくガス室で抹殺された。そして収容所では「労働を通じた絶滅」が目的のため、働けなくなったらガス室で殺害された。その強制収容所で囚人らが着用させられていたのが、縦縞の囚人服で、今回のロエベの新作コレクションのシャツに酷似している。
欧米ではナチス・ドイツを想起させるシャツやデザインを着用することを禁じている国も多い。またホロコーストを想起するデザインなども、犠牲者に対して失礼であることから炎上の対象となる。日本でも2016年11月にアイドルグループ欅坂46がナチス・ドイツの制服を想起させる衣装を着ていたことから、米国のユダヤ団体で世界的に影響力を持つサイモン・ウィーゼンタール・センターが激怒し、謝罪を要求する抗議を行い、世界中で報じられたことがある。また、欧米ではこのようなナチス・ドイツやホロコーストを想起させてしまうデザインなどの事例は多く、今回のロエベ社のケースも初めてではない。そのたびにネットでは多くの非難が寄せられ炎上し、多くが謝罪している。
ロエベ社は、今回のシャツがホロコーストで犠牲になった人々が収容所で着させられていた囚人服と類似していることについて「我々は決して、ホロコースト時の強制収容所での囚人服を意図して製作したものではありませんでした。尊敬すべき記憶や思い出を持つべき方々を傷つけてしまったことに対して、深く謝罪します。販売を中止します」とコメントを発出していた。