2月6日は『国際女性性器切除 根絶の日』2030年までに根絶を目指す:ユニセフらが共同声明
2月6日は「国際女性性器切除(FGM)根絶の日」だった。ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォア氏、国連人口基金(UNFPA)事務局長のナタリア・カネム氏、UN Women事務局長のプムズィレ・ムランボ=ヌクカ氏は「国際女性性器切除(FGM)根絶の日」に共同声明を発表した。
医療倫理にも反している女性性器切除
ジェンダーに基づく暴力の中でも世界で最も非道な行為のひとつとされる性器切除に苦しむ女の子と女性は、世界に少なくとも2億人いる。 2030年までに切除のリスクに晒されている何千万人の女の子がこの苦しみを経験しないで済むように、女性性器切除の人権侵害を終わらせる意思を再確認した。
女性性器切除は長期にわたり身体的・精神的・社会的影響を及ぼす。性器切除は、性と生殖に関する健康、身体的統合性、差別を受けない、および残酷なまたは尊厳を奪うような扱いを受けないなどの女性の権利を侵害している。さらに医療倫理にも反している。女性性器切除は、誰が実施しようと、あるいはどんなに清潔な場所であろうと、決して安全ではない。
宗教に基づいているという神話を打破する必要性も訴求
女性性器切除はジェンダーに基づく暴力であることから、その他の形態の女性や女の子に対する暴力や、早婚や強制された結婚などの有害な慣習と切り離して、解決に取り組むことは難しい。世界の指導者たちは2015年に、女性性器切除の根絶を、持続可能な開発のための2030アジェンダの目標のひとつに設定することを圧倒的多数で支持した。これは達成可能な目標と考えられており、ユニセフらは、政治的な約束を行動に移す必要を訴えた。特に各国において、女の子と女性が暴力や差別を受けずに生きる権利を保護するための新しい政策や法律が必要と強調。女性性器切除が慣習になっている国の政府は、その慣習を終わらせるための国家行動計画も策定の必要性を訴えた。計画の効果的な実施には、統合的な性と生殖に関する健康、教育、社会福祉、および法的なサービスに特化した予算の必要性を強調した。また、コミュニティにおいては、宗教指導者たちが、女性性器切除が宗教に基づいているという神話を打破する必要も訴えた。社会的圧力が慣習に向かわせる要因であることから、個人や家族が、切除を廃止することの利点に関する情報を得る必要がある。
SNSでの被害者の証言の拡散も多大な影響
女性性器切除を廃止する公的な宣言、特にコミュニティ全体で宣言することは、集団的意志表示の効果的な手法です。しかし、公的な宣言は、女性性器切除を容認してきた、社会規範、慣習、行動を変化させるための総合的戦略を伴わなければならない。アドボカシー活動やソーシャル・メディア(SNS)は、女性性器切除の根絶が命を守り人生を改善できるというメッセージを広く伝えることが出来るとユニセフらは訴えた。特にSNSでの情報発信や、被害者の証言の拡散は、政府、市民社会、コミュニティ、および個人にも多大な影響を与えており、女性性器切除は減少している。減少はしているが、目標はあくまでも根絶であると共同声明で訴えた。