Apple、iPhoneが伸び悩み減収減益:反米意識の強くなった中国市場で大幅に失速

(写真:Shutterstock/アフロ)

 Appleは2019年1月29日に2019年Q1(2018年10~12月期)の業績発表を行った。売上高は前年同期比5%減の843億ドル(約9兆円)、純利益は0.5%減の199億7000万ドル(約2兆円)だった。10月~12月期は全世界でクリスマスシーズンだったが、世界規模でiPhoneの売れ行きが伸び悩み、減収減益となった。今期よりiPhone、iPad、Macなどの販売台数は公表しなくなり、売上のみの発表となったが、売上でも前年同期に比べるとiPhoneの大幅な減少が目立っている。

プロダクト別売上(Apple公開資料を元に作成)
プロダクト別売上(Apple公開資料を元に作成)

旧正月の売れ行きにも影か

 また地域別の売上でも、南北アメリカ以外での売上は減少。2018年のクリスマスシーズンはAppleにとっては全く追い風が吹かなかった。特に中国でのiPhoneの売上減少幅は他の地域よりもかなり大きい。中国での一番スマホが売れるのは1月から2月のこれからの旧正月セールの時期だ。だが、中国でのクリスマスシーズンにこれだけのiPhoneの売上が減少していると、旧正月セールでiPhoneが爆発的に売れることは考えにくい。

地域別の売上(Appleの公開資料を元に作成)
地域別の売上(Appleの公開資料を元に作成)

中国で薄れたiPhoneブランドとファーウェイCFO逮捕での反米意識

 クックCEOは「米中貿易摩擦に伴う中国経済の減速が販売不振の背景にある」と指摘している。だが中国市場でのAppleの存在感は以前ほど大きくない。5年くらい前までは、見栄を張ってブランド力のあるiPhoneをもつ中国人も多かった。だが、最近の中国人のスマホ選びは実利主義的で、iPhoneやAppleのブランド力も以前ほどない。中国人の日常生活の中において、決済からメッセージ、SNSまでもはやスマホは生活に欠かせない必需品であるため、見栄を張って高級なブランドのiPhoneを持たなくとも、実利的なスマホで十分なのだ。

 さらに、中国の通信機器メーカー華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が、2018年12月にカナダで逮捕されたことによる中国人の反米意識が強くなった。そのため、2018年のクリスマスシーズンのセールではiPhoneを購入しないでファーウェイのスマホを購入した中国人も多かった。中国人にとって、以前ほどiPhoneが魅力的なスマホではなくなっているので、ファーウェイでも十分だ。