パキスタン、国連でキラーロボット開発に反対を表明「地域の平和や安全保障に大きな脅威」
パキスタンは自律型殺傷兵器システム(Lethal Autonomous Weapon Systems:LAWS)の開発に2018年11月、国連で反対を表明した。人工知能(AI)とロボットやドローンの発展によって、ロボットが人間の関与なしに自律して判断して人間を襲撃してくることが懸念されている。「キラーロボット」と言われている。
パキスタン代表のHusham Ahmed氏は国連総会の軍縮や安全保障を取り上げる委員会で「機械やロボットの判断によって人間の生活や生命に危機が及ぶことは倫理的にも違反しており、あってはならない。そのようなキラーロボットは国際人道法や人権法によって制御されるべきだ」と語った。さらに「キラーロボット、自律型殺傷兵器システム、無人ドローン機は国際社会や地域の平和や安全保障に大きな脅威で、ネガティブな影響しかない」と続けた。
パキスタンにとっての安全保障上の最大の脅威は隣国のインドだ。インドもパキスタンも核兵器を保有している。核兵器が開発できるからといってキラーロボットも容易に開発できるとは限らない。キラーロボットの開発は人工知能(AI)とロボットの開発力にも依拠している。
インドは情報通信技術(IT)にも強く、AIの開発は世界でもトップレベルであり、それらが軍事転用されることはパキスタンにとっても脅威だ。またHusham Ahmed氏が国連で懸念を表明しているように、「人間の判断や関与なし」でロボットが自律的に判断して人類を襲撃してくることについては、インド・パキスタンの地域の安全保障問題を超越して、国際社会での議論と対応策の検討が求められている。