変わらぬiPhone人気でApple増収増益:新興国での伸びは軟調を予想
Appleは2018年11月1日に2018年Q4(2018年7~9月期)の業績発表を行った。売上高は前年同期比20%増の629億ドル(約6.5兆円)、純利益は32%増の141億2500万ドル(約1.6兆円)だった。10月~12月期は全世界でクリスマスシーズンだったので、前期に比べると落ちているが、それでも前年同期比では増収増益で過去最高を達成、絶好調だった。
特に今期も昨年11月に発売された「iPhone X」シリーズに代表されるiPhoneが売上に大きく貢献した。1台10万円以上で世界中どこでも値引き販売はしていない「iPhone X」が好調であることはAppleの収益にも好影響で、iPhoneがAppleの売上に占めるシェアは約6割とiPhone依存の収益構造だ。さらに今期は2018年7月に発売開始した「MacBook Pro」も好調で販売台数、売上ともに伸びた。
新興国のマクロ経済軟調を懸念
地域別の売上では、いつものように北米と欧州で圧倒的な売上げを出しており、中華圏も復活してきた。一方で、インドやトルコ、ブラジルなど新興国市場のマクロ経済が軟調になっていることから、クックCEOは次期(10~12月)はクリスマスシーズンで稼ぎ時ながらも、新興国市場での売上に対しては慎重な見方を示している。
欧米だけで売上の7割を占めているAppleだが、いつまでも欧米や中国市場に依存していられない。だが新興国市場でも欧米と同じ価格で販売されているiPhoneなどApple製品は、新興国市場では、一般市民にとってはまだ「高嶺の花」という人も多い。