「アンネの日記」隠していて読めなかったページをデジタル画像解析で解読:微笑ましい性的ジョークが公開

(Peter Dejong)

 日本でも誰もが知っている「アンネの日記」。ナチスドイツによるユダヤ人迫害、いわゆるホロコーストを避けるためにアムステルダムの隠れ家に身を潜めながら13歳の少女アンネフランクが書き綴った日記だ。

性的なジョークなどが書かれた日記のページが明らかに

 その日記の中で1942年9月28日に書かれた2ページだけ内容が公表されていなかったページがある。そのページがデジタル画像解析技術によって、解読することに成功した。そのページには性的なジョークや性教育などについて書かれていたようだ。

 アンネは日記の内容を見られないようにするためか、茶色の紙を日記のページに張り付けていた。そのため今までは解読することが難しかったが、デジタル画像解析技術の発展により、解読することができた。アンネフランク博物館がホイヘンス研究所、オランダ戦争資料研究所(NIDO)が2010年から共同で調査。2016年に特別なカメラで日記を撮影して、解読をしてきた。アンネフランク博物館のTwitterでは「新技術によって、ついにアンネの日記の新たなページが明らかになった」と投稿していた。

「普通の女の子だったことがわかる」

 「アンネの日記」は世界中の誰もが一度は読んだことがある名作。ホロコーストのイコン的存在で、ユネスコの「世界記憶遺産」にも登録されている。そのためプライベートな内容だが、学術的観点からも今回公開することを博物館は明らかにした。また、今回公開された日記の内容が、いわゆる「下ネタ」だが、博物館は「アンネフランクのイメージは決して変わらない。アンネが好奇心旺盛な10代の女の子だったことがわかる」と述べている。

 

 オランダ戦争資料研究所(NIDO)もTwitterで「新しい2ページを解読することができるようになった。我々のサイトに日記の内容は掲載している」と投稿。

 例えば「ドイツ軍の少女たちはなんでオランダにいるんでしょうか?それは兵士のマットレスになるため」といった、ウィットに富んだジョークが書かれている。NIDO所長のFrank van Vree氏は「思春期の子供が書くような内容で、アンネが普通の女の子だったことがわかる。微笑ましい」と語っている。

ホロコースト研究で進むデジタル技術の活用

 デジタル技術の急速な発展によって、ホロコースト研究におけるデジタル技術の活用は広く普及しつつある。「アンネの日記」だけでなく、当時の手紙や写真などは紙質も悪く、年月も経ち、また過酷な状況に置かれていたものが多い。当時ホロコーストの犠牲者たちの写真や手紙などの多くはナチスに侵略された戦争中にほとんどが廃棄処分されてしまい、残っていること自体が奇跡的なものも多い。

 中には写真だけ残っているが、関係者が全て殺害されてしまい誰だかわからないもの、手紙を書いたユダヤ人も送られた家族や友人も全て殺害されてしまい、誰なのかわからない手紙も多い。それでもそれら手紙や写真は貴重な歴史的な財産だ。それらの復元や保存に多くの場面でデジタル技術が活用され、当時の様子を再現したり、今回のような新たな発見に貢献している。

▼アンネの日記の解読を伝える現地オランダのニュース。デジタル画像解析技術による解読シーンもある(NH Nieuws)