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Facebook「大きな問題に直面しているが、2018年も力強いスタートが切れた」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

月間利用者、もうすぐ22億人

 Facebookは2018年4月25日、2018年第1四半期(1~3月期)の業績を発表した。第1四半期の売上高は前年同期比49%増の119億6600万ドル(約1兆3000億円)で、純利益は前年同期比63%増の49億8800万ドル(約5450億円)と大幅な伸びを見せた。モバイルでの広告売上高は広告売上高全体の約90%を占めており、モバイルと広告収入に依存の収益構造は以前と変わらない。

 Facebookを毎日利用するデイリーアクティブ利用者(DAUs)は、2018年3月時点、全世界で14億4900万人。月間アクティブ利用者数(MAUs)は、全世界で21億9600万人だった。なお同社では2018年5月から欧州で「一般データ保護規制(GDPR)」が施行されることから、欧州での利用者数が減少するかもしれない見解を示した。

 Facebook利用者の約70%の15億人以上がアジア太平洋地域やその他の新興国市場で、これらの市場が占めるシェアは毎期ごとに増加している。新興国でもスマホの普及によって、Facebook利用者数が大きく伸びている。だが、まだ売上のほとんどは北米(アメリカ)と欧州だ。アジアや新興国でのマネタイズにはまだ時間がかかりそうだ。

Facebookの四半期ごとの地域別MAUの推移と割合(公開情報より作成)
Facebookの四半期ごとの地域別MAUの推移と割合(公開情報より作成)

個人情報流出から初の業績発表

 Facebookのアプリを通じて英国のデータ分析会社に個人情報が最大8700万人分が流出してから初の業績発表だった。

 それを踏まえて、ザッカーバーグCEOは業績発表文の中で「大きな問題に直面しているが、2018年もFacebookのコミュニティとビジネスは力強いスタートが切れた。Facebookが良いことに利用されるように責任感と広い視点を持って改善のために投資をしていく。これからも人々がつながり、コミュニティを強化するための新たなツールを提供していく」とコメントしていた。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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