ネットフリックス、独自コンテンツ充実で全世界で1億2500万加入、決算も好調
米国外での加入者、収益も安定
ネットフリックスは2018年4月16日に2018年第1四半期(2018年1~3月)の業績を発表した。売上高は全世界で前年同期比売上高は40%増の37億100万ドル(約4000億円)で、純利益は63%増の2億9000万ドルと大きく伸ばした。
この3か月で全世界で741万人の利用者を獲得。特にアメリカ国外での利用者が546万人増加と伸びが堅調だった。全世界190か国で展開しているネットフリックスだが、1年前まではアメリカ国外事業では赤字だったが、収益も安定してきた。
カンヌ映画祭も脅威に感じる、ネットフリックスの独自ドラマ
好調な業績の要因として独自制作ドラマの「オルタード・カーボン(Altered Carbon)」(2018年2月公開)や「ジェシカ・ジョーンズ(Marvel's Jessica Jones)」などが人気だった。
ネットフリックスは2018年にはオリジナル動画のコンテンツ制作費用として75億ドル~80億ドル(約9000億円)を投資することを明らかにしている。新しい動画コンテンツは、新規利用者の獲得と既存利用者のつなぎ止めには非常に重要で、新作品の制作費用の投資は止めることができない。
ネットフリックスが次にどのような作品を制作してくるかも多くの加入者にとっては楽しみになっており、それはまた既存のメディアや映画業界にとってもネットフリックスをライバル視する要因になっている。カンヌ映画祭には、フランスの劇場で公開されていない作品は参加資格がないという新ルールのためネットフリックスは参加できなくなったが、これに対して同社は「非常に残念だ」と決算発表時にも述べていた。現在のネットフリックスは、世界中の多くの人に視聴され収益も上げているが、映画界での名誉も求めているようだ。たしかにカンヌ映画祭で話題になれば、世界規模で更なる加入者増も期待できるからマーケティング上は重要だ。だが、今回のカンヌ映画祭からの「ネットフリックス締め出し」はかえって「ネットフリックスが映画界にとっても脅威な存在」というインパクトを世界中で与えることができた。
アメリカではケーブルテレビ(CATV)の解約は続いているが、ネットフリックスのような有料課金動画サービス(SVOD:Subscription Video On Demand)の加入者は増加している。だが、このようなネットでの動画サービスは、スマホで誰もがすぐに契約して視聴することも可能だが、解約も簡単にできる。そのため、加入者をどれだけつなぎ止められるかが重要になる。そしてつなぎ止めにとって鍵となるのが動画コンテンツだ。
例えば、話題になった動画や新作を見たいためにネットフリックスに加入した人は、見終わったらすぐ解約してしまうかもしれない。解約されないためにも「次も見てみたい」と思わせるコンテンツをどれだけ多く配信しているかが問われている。
▼新作「オルタード・カーボン(Altered Carbon)」も好調