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中国、武漢でAI警察署:24時間対応で免許更新や車両登録などを効率化

佐藤仁学術研究員・著述家
(Caijing Neican)

 中国の武漢市の交通当局は2017年11月に、AI(人工知能)を活用した「AI警察署」の導入を明らかにした。中国テンセント社と提携して、従来からあったAIのプラットフォームをアップグレードして開発。運転免許の発行、車両登録、交通違反時の手続きなど130種類以上の業務が対応可能になり、AIによって作業を効率化する。従来のように紙の資料を記入して、窓口に並ぶような時間と手間がかかる作業を省き、市民の利便性の向上を図るようだ。

行列、窓口を省いて24時間対応

 また顔認証機能を充実させ、事前に顔認証に基づいたIDを登録しておくと、すぐに認証されてPCやスマホから手続きも可能になるようだ。AIによる作業で、人手を介さないから、24時間対応が可能。またAIシミュレーターによるテストを合格すると免許の更新が可能だそうだ。

 リリースによると、AI警察では「すぐにできる、オンラインでできる、1回でできる」という市民の声に応えており、それを「モバイルで、セルフサービスで、PCで」対応できるようになる。そして、AI警察によって「行列、窓口、人手」を削減することが実現できると伝えている。また利用者が使用した後に、使い勝手や満足度などをフィードバックすることによって、AIの精度を向上させていくそうだ。

AIシミュレーターによるテストを合格すると免許の更新が可能のようだ(Caijing Neican)
AIシミュレーターによるテストを合格すると免許の更新が可能のようだ(Caijing Neican)
顔認証による照合(Caijing Neican)
顔認証による照合(Caijing Neican)
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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