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英国で話題、19世紀にも「歩きスマホ?」ドイツ美術館の絵画

佐藤仁学術研究員・著述家
(Hajotthu/Wikimedia Commons)

 ドイツのミュンヘンにあるノイエ・ピナコテーク美術館に「期待」(Die Erwartete)という絵画がある。オーストリアの画家Ferdinand Georg Waldmuller氏が1850年から1860年頃に描いた絵画のようだ。

19世紀に「歩きスマホ」?

 今から150年以上前に描かれたその絵画の中の少女が「歩きスマホ」をしていたのか、ということで話題になっている。英国Daily Mailなどが報じている。たしかに少女が手にしているのは、現代なら大きさからもスマホに見える。

 もちろん、この絵画が描かれた当時に、スマホが存在するわけない。この絵画は別名「日曜の朝」とも呼ばれているようで、少女が手に持っているのは、日曜日に教会に祈りに行くために持参している祈祷書らしい。

 英国グラスゴーに住んでいるPeter Russell氏がツイッターで呟いたことに端を発しており、同氏は現地メディアへ「1850年頃は、少女が手に持っているのが祈祷書なのか、讃美歌集なのかわからない。これが一番の大きな変化だろう。現代なら、確実に歩きスマホでSNSをやっているシーンだ」と語っている。

 Peter Russell氏が下記の「1937年にiPhoneを使っている人の絵画」という投稿に対して「1850年にデートアプリのようだね」とツイッターで呟いた。このことから、19世紀の少女の「歩きスマホ」が話題になったようだ。たしかに絵画右下の中の先住民らしき男性が、iPhoneらしき物体を見ている。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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