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全国の鉄道事業者で11月から 「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーン:電車の運行にも影響

佐藤仁学術研究員・著述家
「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンのポスター

「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーン

 全国の鉄道事業者44社局、日本民営鉄道協会、日本地下鉄協会、電気通信事業者協会とその加盟社NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは11月1日~11月30日まで「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施する。

 このキャンペーンでは、駅施設内等での「歩きスマホ」による衝突や線路への転落等の事故を防止するために、以下のような取組を行っていく。

・駅構内ポスターの掲出

・車内ポスターの掲出

・車内ディスプレイ広告の掲載

・ポケットティッシュの配布

 ポスターには「やめましょう、歩きスマホ。」と書かれており、その下部に「駅やホームで歩きスマホしてると、ぶつかる!の先にも危険がある。」と注意書きがある。実際に「歩きスマホ」をしている人は、駅や電車内でも、このようなポスターを見たこともないかもしれないが、日本語だけでなく英語、中国語、韓国語でも注意喚起している。

どれだけ対策しても減少しない「歩きスマホ」

 鉄道会社や携帯電話会社は「歩きスマホ」注意のキャンペーンは過去にも多く実施してきた。過去には駅構内のトイレットペーパーにも注意書きをして注意喚起をしたこともある。また、2016年の夏には「ポケモンGo」が流行し、多くの人が「歩きスマホ」をして非常に危険だった時にも、全国の鉄道23社は、「駅にポケモン出現させないで」と要請したこともある。

 キャンペーン期間でなくとも、駅のプラットフォームでは「歩きスマホ」注意喚起のアナウンスは日常的に聞かれる。それでも「歩きスマホ」は一向に減少しない。「ポケモンGo」のブームは消え去ったが、「歩きスマホ」はむしろ増加している。

誰も得しない「歩きスマホ」電車の運行にも影響

 駅だけでなく、街のあらゆるところで「歩きスマホ」をしている。もはや「歩きスマホ」をしていない人の方が少数派だ。「歩きスマホ」は電車の運行にも大きく影響する。

転落・接触の危険

 「歩きスマホ」が原因でホームから転落して死亡した事故もある。そのような大きな事故でなくとも「歩きスマホ」による、電車との接触や接触未遂などの危険もある。このような場合、当然電車のダイヤは乱れ、遅延する。

乗車・降車時のスマホチェック

 また、特に朝の通勤時の駅の階段など混雑しているところでもスマホをチェックしているため、全体の歩くペースが遅くなる。さらに電車の乗降時にも「歩きスマホ」をしている人が多いため、「いつまでも電車から降りられない」、「いつまでも電車に乗れない」ことから電車遅延の原因にもなっている。電車乗降時にスマホをチェックしており、乗車や降車が遅れることにイライラした人は多いだろう。「歩きスマホ」は接触事故による遅延だけでなく、一人ひとりの「歩きスマホ」の積み重ねも電車の遅延に繋がっていく。

お客様同士のトラブル

 さらに「歩きスマホ」をしない人にとって、「歩きスマホ」ほどイライラさせるものはない。そして「歩きスマホ」をしている人は神経がスマホに集中しているので、突然注意されるとカッとなってしまい、トラブルに発展する傾向が強い。「歩きスマホ」を注意されてカッとなって暴力事件に発展したこともある。駅や電車内でのお客様同士のトラブルも電車遅延の要因になる。

 「歩きスマホ」は誰も得をしない。「歩きスマホ」をしている人は、「自分だけは大丈夫」と思いこんでいる。たとえ事故やトラブルに遭わなくとも、電車乗車時や降車時の「歩きスマホ」やスマホチェックが電車の遅延に繋がり、電車の運行にも大きな影響を与えかねない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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