Netflix、2018年はオリジナル動画制作に約9000億円を投資予定

(写真:Shutterstock/アフロ)

 Netflixは2017年10月16日に2017年第3四半期(2017年7~9月)の業績を発表した。売上高は全世界で前年同期比売上高は30%増の29億8,485万ドル(約3,400億円)で、純利益は2.5倍の1億2,959万ドルだった。またこの3か月で全世界で530万人の利用者を獲得。特にアメリカ国外での伸びが堅調で、同社にとって過去最大の獲得数となった。

Netflixの四半期ごとの業績推移。Netflix発表資料を元に作成
Netflixの四半期ごとの業績推移。Netflix発表資料を元に作成
Netflixの四半期ごとの加入者推移。Netflix発表資料を元に作成
Netflixの四半期ごとの加入者推移。Netflix発表資料を元に作成

来年はコンテンツ制作費用に約9,000億円、米国では利用料の値上げ

 Netflixは今季の業績発表の中で、利用者の増加と売上が好調な理由としてオリジナル動画や映画の魅力を上げていた。同社は2018年にはオリジナル動画のコンテンツ制作費用として70億ドル~80億ドル(約9,000億円)を投資することを明らかにしている。

 Netflixの収入源は毎月の利用料金だ。Netflixは2017年10月5日、アメリカ国内での利用料金の値上げを明らかにした。理由として、独自コンテンツの追加などを挙げていた。スタンダードプランを現在の月額9.99ドル(約1200円)から、1ドル値上げして10.99ドルに、プレミアムプランを2ドル値上げして11.99ドルにした。5,000万人以上の加入者がいるアメリカで1ドル値上げしただけでも、収入は単純計算でも月に5000万ドル(約56億円)以上になる。

「次も見てみたい」と思わせる動画がどれだけあるか

 NetflixやHulu、Amazon Primeのような有料課金動画(SVOD:Subscription Video On Demand)の競争は非常に厳しい。Netflixの業績発表の中でもディズニーやFacebook、さらにはAppleらも動画市場に参入し、競争が激化することを述べていた。動画を配信する事業者にとって、コンテンツは収益の命脈だ。今期も新たな動画コンテンツとしてドラマ「Ozark」やコメディ「Friends From College」など新作を多数投入して、利用者の新規獲得とつなぎ止めを行っている。

 Netflixのような動画サービスは、すぐに契約して視聴することも可能だが、解約も簡単にできる。そのため、加入者をどれだけつなぎ止められるかが重要だ。そしてつなぎ止めにとって鍵となるのが動画コンテンツだ。例えば、話題になった動画や新作を見たいためにNetflixに加入した人は、見終わったらすぐ解約してしまうかもしれない。解約を避けるには、「次も見てみたい」と思わせるコンテンツをどれだけ多く配信しているかが問われる。

 一方で、値上げに対し、現在の加入者の目は厳しい。たとえ1ドルの値上げであったとしても「値上げするなら解約しよう」という利用者は多い。利用者がこのような心理にあるときに、「このコンテンツが見られるなら継続しよう」と思わせるコンテンツをどれだけそろえておけるかが重要になる。

 視聴者を獲得して、つなぎ止めておくためのコンテンツ強化とプロモーションは自転車操業になる。だが、動画サービスにとって最大の差別化要因である新たなコンテンツ制作への投資を止めることはできない。コンテンツ制作費用増による毎月の利用料金の値上げはアメリカだけでなく、日本や全世界にも波及してくる可能性が高い。

▼コメディ「Friends From College」

▼ドラマ「Ozark」