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Appleの新CM「さあiPhoneへ」ガラケー利用者へ呼びかけ

佐藤仁学術研究員・著述家
(「iPhone -決断の時- Apple」より)

 日本でのiPhoneの新たな動画広告が3本公開された。

 今回はガラケー(フィーチャーフォン)を利用している人に対して、iPhoneの利便性を訴えている。広告の最後で「さあiPhoneへ」と呼びかけている。

以下が公開された3本のCM。

「社長の決断」

ガラケー利用の社長。「iPhoneなら会社メールも読める」と訴求。

「朝の準備」

ガラケーで目覚ましアラームを利用している男性。「Siriなら話しかけるだけだよ」と訴求。

「アートなケーキ」

ガラケーでカメラ撮影している女性。「iPhoneのカメラ機能」を訴求

日本のスマホ市場で圧倒的に強いAppleだが・・

 MM総研によると、日本で2016年(2016年1月〜12月)に出荷された携帯電話端末(フィーチャーフォンとスマホ)の総出荷台数は3,606万台。内訳としては、

・スマホ:2,942万台

・フィーチャーフォン(ガラケー):664万台

 そして日本でのスマホ出荷をメーカー別にみると、1位は1,591万台でApple。シェアは54.1%と日本のスマホ市場では圧倒的にAppleが強い。次いでソニー、京セラ、シャープ、富士通と続いている。Apple一強の構図は長年続いている。

 現在でも、ガラケーが1年間で600万台以上出荷されている。ガラケーを利用する人の多くの理由は「端末の料金が安いこと」「毎月の料金も安いこと」だ。料金を重視する利用者にとって、iPhoneは高すぎる。彼らがスマホに乗り換える時には、格安SIMや廉価なスマホの購入を検討する。そのような利用者にもiPhoneを購入して欲しいと、CMではSiriやカメラなどiPhoneならではの性能やスペックを訴求している。カメラ機能を訴求したCMもあるが「カメラで綺麗な写真を撮りたい」という利用者は既にスマホを所有しているだろう。

 そして料金を優先する利用者は実利的だ。「電話とメールさえ利用できればいい」という人が多い。「高いお金を払ってまで乗り換える価値が本当にあるのか」が問われてくる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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