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ドバイ警察、世界初のドローン搭載「自動運転パトカー」パトロールから追跡、不審物検知まで

佐藤仁学術研究員・著述家

ドバイ警察が2017年6月に、ドローン搭載の自動運転パトカー「O-R3」を導入することを明らかにした。自動運転パトカーはシンガポールのスタートアップOTSAW Digitalが開発。年内に利用開始予定。

完全自動運転なので、人は乗らないので、車体は全長120cm、幅60cmと小さいので小回りも効くし、細い道にも入っていける。車体には繊細、高精細カメラ、赤外線画像装置、レーザースキャナー、光検出測定装置などを搭載。100メートル先の物体も認識可能。

下記にイメージ動画がある。

2030年までに警察業務の30%をロボットに

自動運転なので、24時間365日休まずにパトロールが可能。容疑者を検知したら、追跡も行う。さらに自動車では入れない場所に容疑者が逃走した場合は、自動車からドローンが出てきて、続けて追跡していく。また自動運転車は時速15kmなので、容疑者が自動車で逃走した場合はドローンでの空からの追跡か、監視しているコントロールルームに通知が行き、実際の人間の警察官の追跡となる。

顔認識も可能で、指名手配の犯人を検知した時の追跡と通知も可能。さらに街の中にある不審物や持ち主不明の荷物などを検知すると、その情報をコントロールルームに送る。

まずは年内に1台試験的に導入、2020年までには100台導入予定。ドバイ警察のAbdullah Khalifa Al Marri氏は「ロボットや自動運転などを増強し、警察官を配置しないでも街を平和にしていく」と述べている。

ドバイ警察ではロボットの導入には非常に積極的で、2017年6月からロボット警察「ロボコップ」を導入。2030年までに、ドバイ警察の仕事の25%をロボットに置き換える予定。ロボットだから疲れないで24時間文句も言わずに働く。パトロールや道案内といった警察のルーティンな業務はロボットに代替されていく。

だがドバイでも最終的な容疑者逮捕はロボットやドローンでなく人間の警察官が行う。普段から地の利の無い警察官が事件発生の時だけ現場に駆けつけて臨機応変な対応ができるのだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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