エアバス「空飛ぶタクシー」の乗車料金は地上のタクシーと同じ価格で:パイロットも不要の時代へ
自動運転車の試験走行は、世界中で多くのメーカーが実施しており、実現が見えて来た。近い将来、タクシーも運転手がいない自動運転の自動車が迎えに来てくれる時代になるだろう。そして、現在ではエアバスやUber、ドイツのe-Voloなどが「空飛ぶタクシー」のコンセプトを明らかにしており、開発を進めている。「空飛ぶタクシー」は操縦士がいない自動運転の飛行機で、渋滞が多い地上でなく、空中を飛行して移動できるよう実用化を目指している。
エアバスは2020年までに「空飛ぶタクシー」
エアバスは2016年11月に、自動運転飛行機「Vahana」のコンセプトデザインを発表。アメリカのシリコンバレーに設置されたエアバスの「A3」部門で、1億5,000万ドル(約160億円)を投じて開発。完全な自動運転飛行機の開発を目指しており、2017年末までに試作機を開発し、2020年までに実用化を目指している。
完全な自動運転であることから、小型で軽量化な機体で、1人乗りの飛行機。滑走路が不要で垂直に離陸と着陸が可能。ヘリコプターのような機体にプロペラ、電気で稼働するモーターを装備する予定。同社のRodin Lyasoff氏によると、完全自動運転の小型飛行機であることから、将来的には製造コストが大幅に削減も期待できるとのこと。
「乗車料金は地上のタクシーと同じくらい」パイロットも不要の時代へ
エアバスで自動運転飛行機「Vahana」のプロジェクトリーダーのZach Lovering氏は「空飛ぶタクシーは、1マイル(約1.6キロ)につき、1.5ドル~2.5ドル(約200円~350円)を予定しており、地上のタクシーとほぼ同じ価格にする」と2017年5月19日のBusiness Insiderでコメント。世界中で「空飛ぶタクシー」の開発は進められているが、乗客の料金を明らかにしたのはエアバスが初めてとのこと。エアバスが開発している自動運転飛行機は、電気で作動するため、メンテナンス費用などを抑えてコスト削減を実現していくとのこと。また自動運転なので操縦士が不要だから人件費はかからない。
ユーザーはアプリで予約して、自分の近くのヘリポートから乗車。空中を移動して目的地のヘリポートなどまで飛行するようになる予定。但し、まだ当局との規制の対応が必要なので、開発は完了しても実際に商用化できるかどうかはまだ不明。
地上のタクシーと違って、離着陸できるヘリポートなどのインフラ整備も必要だし、規制対応が必要。そのためすぐに実用化して誰も利用できるようになるまでは、自動運転車よりも時間がかかるだろう。それでも初乗り料金がタクシーと同じくらいであれば、誰もが気軽に利用できるようになる。誰もが気軽に利用できるようになれば、「空飛ぶタクシー」の普及も進むだろう。
エアバスの担当者が指摘するように自動運転なので操縦者はいない。従来のパイロットのように高給を払う必要もないので、操縦士の人件費がかからないことがコスト削減の大きな要因。「空飛ぶタクシー」が日常的な移動手段となり、長距離移動もできるようになるとパイロットという職業も不要な職業になるかもしれない。