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ボルボ、自動運転によるゴミ収集車の試験を公道で実施

佐藤仁学術研究員・著述家
(Volvo)

スウェーデンの自動車メーカーのボルボは2017年5月に自動運転のゴミ収集車の公道での走行試験を実施した。

ボルボは2016年から自動運転の試験は実施。自動運転のゴミ収集車はボルボとスウェーデンの廃棄物リサイクル企業Renovaが共同で開発。両社は2015年9月から地元のチャルマース工科大学、メーラルダーレン大学、米国のペンシルベニア州立大学とも協力してきた。自動運転によるゴミ収集だけでなく、人々がロボットとの共存にどのような反応するかも検証していく。

ゴミ収集のルートはあらかじめプログラムされており、センサーで周囲360度の周囲の障害物や自動車なども検知して、即時に自動で停止できる。子供たちが遊んでいるボールにも反応して収集車が自動で停止するシーンも動画では紹介さいれている。環境にも配慮しており従来の自動車よりもCO2排出量は抑えられている。

ボールにも反応して収集車が自動で停止 (Volvo)
ボールにも反応して収集車が自動で停止 (Volvo)

運転手は乗車しているが、自動運転のため運転が不要だから、ゴミ収集に注力できる。実際の商用化は明らかにされていないものの、自動運転による公道での試験は2017年末まで実施。

ボルボのCTOのLars Stenqvist氏は「自動運転によるゴミ収集はスウェーデンだけでなく世界中で活用できる。また今までは運転したり、ゴミ収集したりと、スタッフが膝関節などを痛めていたが、自動運転の導入はそのような職業病も減少できることも利点の1つだ」とコメント。

ついにゴミ収集車も自動運転でやってくる時代になる。現在は運転だけが自動化されており、ゴミ収集はまだ人が実施している。ゴミ収集はハードな仕事だ。次は人ではなくて「ロボットによるゴミ収集」が来る日もそう遠くないだろう。

▼ボルボの自動運転車によるゴミ収集の動画。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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