Yahoo!ニュース

火星、人類未踏の地はドローンで探査する時代へ:NASAがコンセプト動画を公開

佐藤仁学術研究員・著述家
(NASA)

NASAのLangley Research Centrは2017年3月27日に火星探査ドローン「Mars Flyer」のコンセプト動画を公開。現在でも火星の探査は行われているが、この動画では探査車からドローンが出てきて、火星と思われる荒涼とした大地の洞窟や渓谷の中など人間や探査車が簡単に行くことができない場所の調査を行うようだ。

以下がNASAが公開した火星探査ドローンのコンセプト動画

課題は低圧環境での飛行と充電

ドローンは探査車で充電されるようで、NASAでは既にドローンによる火星での探査に向けた低圧環境での飛行テストも行われているようだ。NASAは火星での電力での稼働とドローンの軽量化に注力している。一番の懸念で開発のハードルになっているのは地球とは気圧が全く異なる火星でドローンを飛行させることのようでNASAの研究所でも、低圧飛行の実験が行われているようだ。また充電することによって電気でドローン飛行することは可能だろうが、火星では何が起こるか現時点ではまだ予測不可能とも報じられている。

このドローンによる火星探査の具体的な開始時期は明らかにされていない。NASAは火星での人類が居住できる場所をドローンが見つけることもミッションの1つとして期待しているようだ。人類が火星に居住できるまでにはまだ相当な時間が必要だろうが、ドローンによる人類未踏の地を探査は近い将来に実現し、そこでの新たな何かしらの発見は期待されている。

人類未踏の地へもドローンなら行けることが期待されている(NASA)
人類未踏の地へもドローンなら行けることが期待されている(NASA)
人類が居住できる場所を探すこともドローンのミッションの1つ(NASA)
人類が居住できる場所を探すこともドローンのミッションの1つ(NASA)

NASAが「火星などでの今までに見たこともないような探査を想像してみよう!」と呼びかけているTwitterでの動画は17万回以上再生されている。動画は上記と同じもの。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事