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ロボットが食事を配達する時代へ:サンフランシスコで実験

佐藤仁学術研究員・著述家

アメリカの地域情報サイトYelpのフードデリバリー事業Eat24がサンフランシスコでロボットによるフードデリバリーの実験を開始した。ロボットはMarbleが開発。同社にとっては初のフードデリバリーロボットらしい。ロボットといってもペッパーのような人型ロボットではなく、自動運転で移動する約120cmのボックスのようなもの。

センサーやカメラで周囲の状況を認識して配達
センサーやカメラで周囲の状況を認識して配達

デリバリーロボットは人が歩くのと同じ速度で走行し、センサーで周囲の情況をキャッチ。信号にもちゃんと止まる。利用者はアプリでレストランに食事を注文。注文時にPINコードが送信される。配達される家の前に到着すると利用者に連絡が行き、ロボットのところまで出向き、送られてきたPINコードでフードを取り出すことができる。このロボットであればフード以外の商品でも配送は可能だ。1~1.5マイル(約1.6~2.4km)範囲内へのデリバリーが可能とのこと。

下記には実際の道路での試験の様子も紹介されている。実験なので、動画の中では必要に応じて同行している人が操作しているシーンもある。

2016年12月にはロンドンで世界初のロボットによるフードデリバリーのテストが行われたことは以前にもお伝えした(世界初、配達ロボットで出前をお届け!英国で実験)。他にもオランダやドイツではロボットによるドミノピザのデリバリーの実験も行われているそうだ。

ロボットが食事のデリバリーをしてくれる時代はもうすぐかもしれない。レストランにとってデリバリーサービスは配達する人を雇って、時間通りにしっかりと届けなくてはならない。そのための管理コストも相当にかかる。ロボットがデリバリーするようになると、人件費がかからなくなるから、その分料理が安くなることが期待される。ロボットは無人なので、壊されたり故障することもあるかもしれないが、人間のように体調不良で突然休んだり、配達したまま戻ってこないといったような予期せぬことも少ない。デリバリーという仕事も近い将来には無くなる仕事の1つだろう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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