中国の公共トイレ、顔認識でトイレットペーパー配布:目的は泥棒対策
顔認証で1人60cmまで
中国の北京にある天壇公園のトイレに顔認証によるトイレットペーパーの配布マシンが試験的に6台設置された。顔認証で顔を認識して、1人1回につき60cmのトイレットペーパーが配布される。それをもって個室に入り用を足すことになる。
この顔認証マシンでトイレットペーパーを配布することによって、1人のトイレットペーパー使用量が限定される。顔認証されているので、同じ人が何回もトイレットペーパーを貰うことはできない。1回60cmで、追加の紙が欲しい場合は9分後にならないともらえないそうだ。もしくは公園スタッフに言えばもっともらえるそうだ。
この顔認証によるトイレットペーパー配布マシンが導入された背景には、中国ではまだ公共のトイレでトイレットペーパーがない場所が多く、トイレットペーパーが設置してあるトイレからトイレットペーパーごと盗んで行ってしまう人が多いことや、家庭で利用するからだと報じられている。たしかにトイレには防犯装置などがほとんど設置されていないし警備員が常駐しているわけでもないので、個室に入ってトイレットペーパーを盗むのも容易なのだろう。
「顔認証が一番衛生的」
顔認証トイレットペーパー配布マシンを開発した会社Shoulian Zhinengのマーケティング担当のLei Zhenshan氏によると「顔認証以外にも指紋認証や赤外線認証など様々なオプションがあったが、顔認証が一番衛生的であることから顔認証による配布にした」とのこと。
中国では公園などの観光地のトイレを近代的なものにする「トイレ革命」が2年前から行われている。トイレの数が圧倒的に不足しているようで、例えば北京最大級のアミューズメントパーク北京歓楽谷では年間400万人が訪れるにも関わらず18か所しかトイレがないことから、いつも混雑しており非衛生的だそうだ。そのため既に250億元(約4,000億円)投資され、北京では34,000の新たなトイレが設置され、今年中に23,000のトイレがリニューアルされるそうだ。
顔認証によるトイレットペーパー配布マシンは2週間程度実験して、その成果を検証するそうだが、果たしてトイレットペーパー泥棒対策への効果はあったのだろうか。