福島、運転中に「ポケモンGO」死亡ひき逃げ事故

(ペイレスイメージズ/アフロ)

福島県相馬市で2016年11月に死亡ひき逃げ事故が発生。自動車運転処罰法違反(過失致死)とひき逃げで逮捕されていた男性がスマホゲーム「ポケモンGO」に気を取られており、男性をはねたことが捜査関係者の取材でわかったそうだ。朝日新聞が報じているので以下に引用しておく。

ひき逃げ死亡事故「ポケGOしながら運転」 容疑者供述

福島県相馬市で起きたひき逃げ死亡事故で、逮捕された容疑者が県警の調べに対し、「ポケモンGOをしながら運転していた」と供述したことが分かった。福島地検は12日、この容疑者を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪で起訴した。

起訴されたのは、同県新地町駒ケ嶺の解体作業員、山内隼人被告(38)。起訴状などによると、11月20日午後8時40分ごろ、乗用車を運転しながらスマホのゲームに気を取られ、相馬市内の県道に停車中の車に追突。車の横で荷物を載せようとしていた同市成田の会社員清水佑介さん(33)を数十メートル引きずり、そのまま走り去ったとされる。清水さんは死亡が確認された。

県警によると、被告のスマホを解析したところ、事故直前にポケモンGOを操作していた履歴が残っていたという。

出典:朝日新聞(2016年12月14日)

後を絶たない「運転中のスマホ」と交通事故

運転中のスマホによる事故が後を絶たない。特に「ポケモンGO」が配信されてからは、運転中でも、ますますスマホが気になってしまっているようだ。警察庁によると「ポケモンGO」の配信が開始された2016年7月22日から11月21日までの4か月間で、運転中の「ポケモンGO」操作による人身事故は17都道府県で26件発生。そのうち3件が死亡事故。2016年10月には愛知県一宮市で「ポケモンGO」をしていた運転手のトラックに小学生がはねられて死亡する事故もあり、遺族らが運転中のスマホ操作の厳罰化などの対策強化を訴えているところだ。

重大な人身事故や死亡事故にならずとも摘発された件数はさらに多い。「ポケモンGO」が配信直後の2016年7月22日から27日までの6日間のでは運転中の「ポケモンGO」での摘発、信号無視などによる取り締まり件数が45都道府県で406件。これらは氷山の一角で、実際には警察に摘発されないまでも運転中に「ポケモンGO」もしくはLINEやニュースチェックなどのスマホ操作をしている人は多いのではないか。

運転中のスマホ操作は絶対禁止

他にも公共交通機関であるバスの運転手が乗務中に「ポケモンGO」を操作していることが各地で発覚して会社が謝罪するケースも相次いでいる。バスの運転手はいずれも40代~50代。運転中のスマホ操作の危険性は認識しているはずだ。まだ乗客が乗っているバスが事故に巻き込まれる大惨事は発生していないが、そのようなバスには恐ろしくて乗車したくない。国土交通省も2016年11月に、業務中の携帯電話・スマホの使用禁止の徹底について、バスやタクシーなどの関係団体あてに通知したばかりだ。国交省は「運転中のスマホ操作は『道路交通法で禁止されている極めて危険な行為』である」と指摘しているが、国交省に指摘されなくとも、運転中にスマホを操作していたらどのような惨事を招くかは想像できるだろう。

「ポケモンGO」だけでなく、LINEやFacebookなどのSNSやニュースのチェックや動画配信など、スマホが気になってしょうがないのだろうが、運転中のスマホ操作の危険度は「歩きスマホ」の比ではない。自分が事故で大怪我をするだけでなく、歩行者や同乗者を怪我させたり、死亡させてしまう恐れもある。「見つからなければいい」、「周囲に人や車がいないからスマホを見てもいい」ということではない。

自動車の運転はまだ人間がすること

現在、国内外で自動運転車の試験が急速に進んでおり、公道での試験走行なども行われている。近い将来、自動運転車が主流になれば、人間の運転に頼らないですむようになるだろう。そうなれば自動車に乗っている時に、人間は車内でスマホに集中していてもいいようになるだろうが、自動運転車の普及までにはまだ少し時間はかかる。「人工知能による自動運転車の方が安心で安全」という時代がやってくるまでは人間が自分の責任で自動車を運転しなくてはならない。自動車の運転をしている時は、スマホは絶対に触らないという当たり前のことを再認識しなくてはならない。「運転中のスマホ操作で事故が起きたら、どうなるのか?」と想像してみる。スマホで人生を台無しにする必要はない。悲惨な交通事故はもう起きないで欲しいし、誰も望んでいない。