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Twitter、伸びない利用者数3億人で横ばい:高まる米国以外での売上比率

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

Twitterは2016年7月26日、2016年第2四半期(2016年4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比20%増の6億200万ドル。純損失は1億700万ドルの赤字だったが、それでも前年同期の1億3700万ドルから赤字幅は縮小した。それでもなかなか黒字にならない。

売上高はモバイル広告に依存のTwitter

Twitterの売上高のうち90%は、広告収入である。この比率も変わっていない。

広告の売上は前年同期18%増の5億3,500万ドルだった。そして、モバイル広告が広告売上高全体に占める割合は89%だった。利用者数は微増だが、広告売上は前年同期比よりも増加している。

世界のMAUは前年同期比3%増の3億1,300万人で、前期からは300万人増えた。モバイルからのアクセスがMAU全体の約82%だった。アメリカ人のMAUは1%増6,600万人で、米国外市場が2億4,700万人だった。

売上に占める米国市場が60%で、だんだん米国外の市場での売上の比率が増加してきている。米国外の売上高は前年同期比33%増の2億4,100万ドルと成長も大きい。圧倒的に利用者が多い米国以外での市場での売上高が少しずつだが増加しており、今までのように米国市場での売上だけに依拠しなくなってきた。

▼Twitterの売上高の推移および広告収入とその他の比率

(Twitter発表資料を元に作成)
(Twitter発表資料を元に作成)

▼売上高の地域別推移と比率

(Twitter発表資料を元に作成)
(Twitter発表資料を元に作成)

伸びないTwitter利用者

日本では芸能人や企業などがTwitterで情報発信を行っており、利用されているが、世界規模で見るとTwitterの利用者は伸びていない。Facebookが16億人以上、Instagramも4億人以上が利用しており、急激に利用者数を世界規模で増加させているが、Twitterの伸びは鈍化している。

圧倒的に多い米国以外でTwitterをよく利用しているのは日本とインドネシアなど一部の限られた国になっている。これらの国での売上比率が増加しているものの、いつまでもTwitterが利用されるとは限らない。

そして一向に黒字に転換しない。利用者数は広告収入においても非常に重要である。利用者が少ないメディアは広告配信の価値が低いと評価されてしまう。特にTwitterはボットも多いので、広告がどこまで消費者にリーチされており、Twitterで広告を掲載した商品やサービスの売上増や認知度向上に貢献しているのだろうか。

▼アクティブユーザー数の地域別推移と比率

(Twitter発表資料を元に作成)
(Twitter発表資料を元に作成)

米国ではスポーツのライブ配信に注力だが

Twitterは2016年7月に、Twitter、Vine、Periscopeで独占的に米国のメジャーリーグMLB、ナショナルホッケーリーグNHLのライブコンテンツを配信することを発表した。他にもプロバスケットボールリーグNBAのライブ配信も行う予定だ。Twitterは2016年4月には米国NFL(ナショナルフットボールリーグ)に「Thursday Night Football(TNF)」全16試合中10試合のストリーミング提供する権利を与えたが、それでも売上や利用者数急増の起爆剤にはなっていないようだ。具体的な契約内容は明らかにされていないが、これらコンテンツへの投資には相当なコストがかかっているのではないだろうか。米国での新たな施策は積極的だが、今後は売上比率40%まできている米国外市場でも、売上や利用者増につながる取組みが求められる。

今後Twitterの利用者が減少していくようなことがあれば、売上の90%を広告収入に依拠しているTwitterの収益はますます厳しくなっていくだろう。しかし、現在のままではTwitterがこれから利用者が世界規模で急増するとも思えない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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