「歩きスマホ」でホームから転落死:「自分だけは大丈夫」ということはない
駅や道路での「歩きスマホ」は日常の風景になっており、トラブルが多発していることから注意喚起のアナウンスやポスターなども多く行われている。2016年5月には駅のホームで「歩きスマホ」をしていたら転落して死亡するという悲惨な事件が起きたようだ。朝日新聞が報じているので、以下に一部を引用しておく。
それでも減少しない「歩きスマホ」
駅では混雑していようとも多くの人がスマホを見つめている。スマホを手に持たないと駅で電車を待つこともできないし、乗り降りもできないのではないかと思うくらい、多くの人がスマホを手に持って見つめている。そしてそのまま歩いて「歩きスマホ」になる。
駅のホームでの「歩きスマホ」による転倒や衝突でトラブルも発生している。まして線路への転倒すれば、どれだけ危険なのかは想像すれば誰にでもわかるだろう。現在、多くの駅でホームドアの設置が進んでいるが、それでもまだ全ての駅で導入されているわけではない。「白線の内側におさがりください!」と駅員が大きな声で注意放送をしていても、スマホに集中しているから、聞こえないのだろう。しかもイヤホンをしている人も多い。さらに「歩きスマホ」をしている人は、自分のことを放送で注意されていることに気がついてない。ホームドアがない駅では、電車に接触しそうな距離で「歩きスマホ」をしている人もいて、非常に危険である。
「歩きスマホ」は危険であることから、駅では鉄道会社や携帯電話会社らが「歩きスマホ」をやめるようにポスターを掲載したり、放送で積極的に注意喚起を呼びかけている。しかし駅で「歩きスマホ」をしている人は一向に減らない。「歩きスマホ」をしているから目と脳はスマホの中のSNSやゲーム、メッセージなどに集中しているから、ポスターにも気が付かないだろうし、注意喚起の放送も耳に入らない。
「自分だけは大丈夫」ということはない
そして「歩きスマホ」をしている人は「自分だけは大丈夫」という自己中心的思考に陥ってしまっている。そして衝突すると、自分は「LINEしてんだから」「ゲームしてんだから」「SNS見てんだから」と、自分の不注意を棚に上げて、まるでぶつかった相手が悪いかのように怒りを表すことが多い。さらに電車に乗る時も降りる時もスマホの画面を見ているから、スムーズに乗降できないので電車遅延の要因にもなる。
「歩きスマホ」で「自分だけは大丈夫」ということは絶対にない。視線と神経がスマホに集中しているから、周囲に目が届かないし、周囲の動きに気が付かない、また気が付いてからも今まで神経はスマホに集中していたから咄嗟の判断と動きが鈍くなる。ましてイヤホンまでしてたら、聞こえも悪いからますます危険である。そのような状態で歩いている人が駅にはたくさんいる。また「歩きスマホ」は自分が線路に転落するだけでなく、ぶつかった相手を転落させてしまったり怪我をさせてしまったりと加害者にもなりかねない。
スマホを見る必要があるなら、安全な場所で立ち止まって確認すればいい。スマホの世界的な規模での普及によって「歩きスマホ」による事故は日本だけでなく世界規模での社会的課題になっている。そして「歩きスマホ」が危険だと頭では理解しているが、ついやってしまい、やめられないのだ。だが「歩きスマホ」は命をかけてまでやることではない。