カナダ:葬儀屋のビルボード広告で「運転しながらスマホをしよう!」
カナダのトロントの道路沿いに設置されたビルボードに「運転しながらスマホをしよう!(TEXT AND DRIVE)」というメッセージを掲載している。通常なら「運転中のスマホは禁止(DN'T TEXT AND DRIVE)」のはずだろうが、あえて「運転中のスマホ」が禁止ではないことから、ドライバーの目を引いており話題になっている。さらにメッセージの下部には「WATHAN FUNERAL HOME」と「葬儀屋」の名前が書かれている。
葬儀屋と思ったら
もちろん、この広告は本当に「運転スマホ」を推奨するものではなく、『「運転しながらスマホ」をしたら、葬儀屋のお世話になるよ。だから運転しながらのスマホはやめよう』という意図のメッセージである。
そして「Text and Drive」のビルボードを見て、「WATHAN FUNERAL HOME」がどんな葬儀屋か気になって検索してサイトに行くと、葬儀屋でなく「運転スマホ」をやめるようにという注意喚起をしているサイトになっている。カナダの広告代理店John Stとアウトドア広告会社Cieslok Mediaが制作したものだ。さすがに実在する葬儀屋はこのような広告は出さないのだろうか。
危険しかない「ながら運転」
カナダもアメリカ同様に「運転中のスマホ」による死亡事故が増加しており、早ければ来年には「飲酒運転」による死亡事故者数を抜くと予想されている。トロントがあるオンタリオ州では2013年には81人、2015年の1年間で69人が「ながら運転」が原因で死亡している。またスピード違反よりも「ながら運転」による死亡事故は13%多い。
特に若い世代の「運転スマホ」が問題になっている。18歳から20歳の若者で衝突事故を起こした人のうち13%が運転中にスマホを見たり、電話をしていたそうだ。また10代の34%が「運転中にスマホを見てたことがある」と回答している。そして10代の77%が「運転中にスマホを見てても安全に運転できる自信がある」と回答しているそうだ。
スマホが急速に普及し「運転スマホ」による死亡事故はカナダだけでなくアメリカなど海外でも大きな社会問題になっている。スマホが気になって仕方ないのだろうが、運転中にスマホを見てて安全に運転できることは絶対にない。運転中にイヤホンをつけての通話も危険である。「運転中のスマホ」による事故は死に直結するため、「歩きスマホ」とは危険の大きさが違う。運転する時は運転することだけに集中すべきだ。