マイアミビーチのホロコーストメモリアル:生存者がいなくなっても次世代に継承するためにアプリ提供

(写真:Rex Features/アフロ)

アメリカのマイアミビーチの「ホロコーストメモリアル」には毎年5月8日のホロコースト記念日には多くの人が集まり、ナチスドイツ時代に大量虐殺されたユダヤ人らの追悼を行っている。年に1度のホロコースト記念日は、全米規模のイベントだ。

マイアミビーチのホロコーストメモリアル
マイアミビーチのホロコーストメモリアル

ホロコースト生存者がいなくなっても次世代に継承するために

「ホロコーストメモリアル」では、アメリカで生活しているホロコーストの生存者らに、当時の様子を語ってもらっているが、戦争が終結し70年以上が経ち、年々その数も減少してきている。そのうち、ホロコーストの生存者はいなくなってしまう。

それでもホロコーストの悲惨な歴史を繰り返さないように、記憶を次世代に継承していくために、マイアミビーチの「ホロコーストメモリアル」では、今年からスマホでもホロコーストの様子を学習できるように、アプリを製作し、提供開始している。50万ドル(約6,000万円)かけて、このアプリと動画を制作した。

アプリではホロコーストの歴史や生存者のコメント動画や当時の様子の写真などを掲載して説明している。7か国語に対応したアプリは無料でダウンロードできる。またWeb版もあり、スマホだけでなくPCでも同じ内容のコンテンツを提供している。

マイアミビーチの「ホロコーストメモリアル」には全世界から年間13万人以上の訪問者が訪れており、既に6,000人の生徒や先生らがアプリを利用している。

マイアミビーチのホロコーストメモリアル
マイアミビーチのホロコーストメモリアル

アメリカ人がホロコーストに関心を持ったのは1978年のドラマから

アメリカのユダヤ人は1967年の6日戦争以前は、ホロコーストにほとんど注意を払わなかった。多くのユダヤ人が自分自身の生活に忙しかったのだろうか、ホロコーストはほとんど口にされなかった。それまでアメリカのユダヤ人はそれについて読んだり、子供に教えたりすることに興味を見せなかったそうだ。しかし1967年にアラブ軍がイスラエル国境に集結し始めると、アメリカのユダヤ人もホロコーストを思いめぐらした。

また、一般のアメリカ人がホロコーストに大きな関心を示し始めたのは、1978年に放送されたメリル・ストリープが主演のテレビドラマ「ホロコースト:戦争と家族」からだ。このドラマのアメリカ人に与えたインパクトは大きく、ドラマを通じてアメリカ人がホロコーストの実態を知るようになった。

実際、ホロコーストの記憶がある生存者の数は年々減少している。これは仕方ないことだ。そのため、彼らがまだ生存しているうちに、ホロコーストの歴史と記憶を動画として記録しておき、それらをアプリ経由で次世代に繋いでいこうとしている。そしてそれらコンテンツは、スマホやPCを経由して世界中のどこでも、誰もが見ることができる。