Facebook、従業員が新興国モバイルのスピードを体験「2G Tuesday」

全世界で15億人以上が利用しているFacebookのうち大半が新興国や発展途上国であり、彼らの多くがモバイルの2G環境からアクセスしている。そのような新興国、途上国の2Gの遅いインターネット接続環境をFacebookの従業員が体験しようということで、2015年10月末に火曜日の1時間だけ、希望する従業員のみが2GにアクセスしてFacebookのサービスや新興国の人々のネットアクセスのユーザーエクスペリエンスを体験してみる「2G Tuesday」という取組みを行っている。

■無視できない新興国からのアクセス

全世界に15億人以上いるFacebookの利用者のうち、北米が2億1,700万人で、欧州が3億1,500万人。この地域からのインターネットアクセスはほぼ3Gか4Gであろう。もしくはバックボーンが光回線のWi-Fiを利用していることが多い。そのためインターネットのサービスにアクセスするのにストレスを感じことは少ないだろう。かつてはアメリカでは3Gのアクセス環境も悪くてイライラすることもあったが現在ではかなり改善されている。

一方で、Facebookの全世界の利用者のうち5億2,200万人がアジア太平洋地域で、そのほかの地域(アフリカや中南米)に4億9,200万人以上存在している。つまりFacebookの全世界の利用者のうち60%程度が欧米以外の地域である。彼らの多くは日本や欧米のように3Gや4G、または光回線のような充実したインターネット環境にはない。

■無視できないモバイルからのアクセス

Facebookへのアクセスのうちモバイルからのアクセスで毎日アクセスしている人は全世界で8億9,400万人、月間では13億9,000万人。さらにモバイル端末からのみアクセスする人は7億2,700万人もいる。そしてFacebookの売上高の95%以上を占めている広告収入のうち、モバイルでの広告売上高は全体の約78%を占めており、モバイルからのアクセスは無視できない。そして新興国でもスマートフォンが急速に普及しており、新興国からのアクセスはほとんどがモバイル端末である。

■プリペイドが主流の新興国で広がるWi-Fiからのネットアクセス

新興国でもスマートフォンは急速に拡大している。スマートフォンは所有しているけど、そこで利用しているSIMカードは2Gであることも多い。そして彼らの多くがインターネットにアクセスする時にはカフェや大学、店舗など無料または低価格で利用できるWi-Fiスポットで利用することが多い。3Gや4Gのカバレッジもだいぶ広がってきたが、3Gや4GのSIMを購入しないで無料Wi-Fiを利用してネットにアクセスしている人も多い。新興国ではほとんどがプリペイド方式であり、ネットにアクセスするためのデータ通信を行う時にもプリペイドのSIMを購入して利用する。例えば「1GBで10ドル」のような値段設定で、1GBを超えたらまたチャージするというプランである。そして動画を見ているとあっという間にデータ通信量の上限に達してしまい、またチャージが必要になる。お金にセンシティブな彼らはデータ通信でチャージが無くなってしまうよりは、無料のWi-Fiを利用してネットにアクセスした方が得だと考えて、Wi-Fiスポットを探している。そこでたとえWi-Fiの接続速度が遅くともFacebookやら動画などにアクセスしている。

2Gでのインターネットへアクセスによる新興国のユーザーエクスペリエンスの共有も重要だろうが、どうして3Gや4Gが設備やカバレッジの観点から新興国にも普及してきたのに、彼らが3Gや4Gを利用しないのか。それらに向けた解決策を提供する方がFacebookには求められているのではないだろうか。

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