Google、インドで「Android One」スマホを50ドル以下で導入計画:熾烈化する価格競争

Googleがインドで「Android One」スマートフォンを50ドル以下で販売する計画があるとFinancial Timesで報じられた。

「Android One」はGoogleが新興国を中心にまだスマートフォンを持っていない「次の50億人(next five billion)」を対象に、低価格なスマートフォンを提供することを目指して2014年9月からインドでの販売を皮切りに、アジアの新興国で次々と地場メーカーから販売されている。インドではMicromax、Lava、Spiceなどの地場メーカーが「Android One」スマートフォンを約100ドルで販売している。

今回、Google の Rajan Anandan 氏はインドで「Android One」スマートフォンを2,000 ルピー ~ 3,000 ルピー(約30ドル~47ドル)で投入することを明らかにした。

■まだ低価格のフィーチャーフォンの方が人気あるインド

インドではまだスマートフォンよりもフィーチャーフォンの出荷の方が多い。その理由はフィーチャーフォンの方が安いからだ。フィーチャーフォンは新品でも安ければ30ドル程度で購入できる。中古端末が多く流通しているインドではフィーチャーフォンは10ドル程度で入手できる。スマートフォンも中古端末では20~30ドルで入手できる。

携帯電話はもはやインドでも日常生活において欠かせないものであり、多くのインド人にとって携帯電話、スマートフォンの選択基準は価格である。中古端末であれ、新品であれ「安くて良いもの」が圧倒的に人気ある。

■30ドルの「Firefox」スマホも登場したインド:Googleにとっての脅威

インドでは「Android One」のリリース前の2014年8月に地場メーカーのIntexから「Firefox」を搭載したスマートフォンが2,000ルピー(約30ドル)で投入してきた。フィーチャーフォンの新品と同じ程度の価格である。Googleが投入した約100ドルの「Android One」スマートフォンはインド市場では値段の高い方の端末なのだ。

GoogleのAndroid OSは世界のスマートフォンOSの80%以上のシェアをもっており、もはや向かうところ敵無しのように見えるが、まだスマートフォンの普及が進んでない新興国において「Firefox」の格安スマーとフォンが普及する前に、価格競争力ある端末を投入してシェアを獲得しておきたい。

フィーチャーフォンではGoogleにとってはほとんどビジネス(収益)にならない。GoogleはAndroidをスマートフォンのOSとして無償でメーカーに提供して、Android端末を普及させることで、そのスマートフォンを利用している利用者がGoogle検索、YouTubeでの動画閲覧などGoogleのサービスを利用してもらうことによって、そこから得られる情報を元に広告を配信していくビジネスモデルである。Googleにとって新興国のユーザー基盤は重要な収入源である。

■普及のカギは端末メーカーと価格競争

「Android One」の普及にとって重要なのは、端末メーカーがスマートフォンを開発して販売してくれるかである。廉価版スマートフォンは粗利率が低く「薄利多売」である。多くの新興国においてはスマートフォン購入時のプライオリティは「価格」である。機能やデザインにそれ程の大差がないのであれば、少しでも安い端末が選ばれる。メーカーとしては安い端末では利益は薄いが、それでも出荷台数は多いことから製造を行う。新興国のメーカーは「利益率は高いが、出荷台数が少ないハイエンド端末」はリスクが高いので製造を嫌う。新興国のメーカーにとっては、そのようなハイエンド端末は「売れるか、売れないかわからない」から「賭け」なのである。フラグシップモデルとして数台を用意するだけで十分である。

新興国のスマートフォン市場ではこれからも「端末の価格競争」になり、資金力の強いメーカーのみが新興国でも生き残れる。そして格安の「Android One」スマートフォンが普及すればGoogleは儲かるだろうが、薄利多売の端末を大量に製造しているメーカーのうちいくつが生き残れるだろうか。

▼インドでの「Android One」スマホの紹介動画(Google india)。これはインドではかなり高級な端末。