アメリカ政府:デジタルデバイド解消に向けた低所得者世帯向けブロードバンド「ConnectHome」

(写真:ロイター/アフロ)

アメリカ政府は2015年7月15日、低所得者世帯向けに低価格でブロードバンドサービスを提供する新たな取組み「ConnectHome」を発表した。ブロードバンドの提供によってインターネットへのアクセスの有無による教育格差、デジタルデバイドの解消を進めていく。

「ConnectHome」では低所得者世帯で暮らす約275,000世帯に対してブロードバンド環境を提供し、約20万人の生徒が家庭でもインターネットを利用できるように推進していく。

アメリカ政府はニューヨーク、ボストン、シアトル、オクラホマ州デュラント(オバマ大統領がこの取組みを発表した町で児童の32%が貧困層)など27都市で試験プログラムを提供していく。最初の1年間は毎月9.95ドル、2年目以降は月14.95ドルで提供する。アメリカでの平均的なブロードバンドへのアクセスは月35~75ドルであるから、それに比べると安い。

Pew Research Centerの調査によるとアメリカでは年収75,000ドル以上の世帯ではインターネットの普及率が98%である。一方で年収30,000ドル以下の世帯のインターネット普及率は75%である。

オバマ大統領が就任してから、ブロードバンドのインフラ整備に2,600億ドルを投資してきた。今回の「ConnectHome」には今後数年間で7,000万ドル投資するとのことで、アメリカ政府以外にも多くの企業や非営利団体などが資金や業務で協力を申し出ている。Googleやソフトバンク傘下のSprint、Cox Communications、CenturyLinkなども「ConnectHome」に協力する。例えばGoogleは自社の光ファイバー「Google Fiber」の提供エリアでは該当する世帯に無料でサービスを提供する。また家電量販店Bestbuyはコンピューターのトレーニングや技術サポートを提供することを明らかにしている。

アメリカ政府は今後5年の間に「K12」の児童、生徒(幼稚園から高校を卒業するまでの教育期間にいる生徒)の99%が「学校の教室や図書館」でブロードバンドに接続できるように推進していく。この99%には「家庭」でのブロードバンド接続は入ってない。

インターネットには無駄なゴミのような情報も多いが、ブロードバンドでアクセスして多くの動画、ニュース、教材に触れることもできる。ブロードバンドへのアクセスはアメリカでも決して安くはない。毎月のインターネットや携帯電話料金よりも食事、生活費、家賃の方がプライオリティという家庭はアメリカでもまだ多い。そしてインターネットへのアクセスの有無がそのまま教育格差にも繋がっている。

今回の低所得者世帯向けブロードバンドサービス「ConnectHome」では275,000世帯がパイロット対象であるが、American Library Association(全米図書館協会)によると、学校に行っている子供がいる世帯でブロードバンドに接続できない世帯は約500万世帯もある。

アメリカ国内のデジタルデバイド解消に向けた道のりはまだまだ長そうだ。

【参考動画】The President Launches ConnectHome Initiative

(参考)

ConnectHome: Coming Together to Ensure Digital Opportunity for All Americans(ホワイトハウスリリース)

ConnectHome