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ハリウッドにもいる、山里亮太と蒼井優的ちょっと意外なカップル

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
アンジェリーナ・ジョリーとビリー・ボブ・ソーントン(写真:Shutterstock/アフロ)

 山里亮太と蒼井優の結婚が日本を沸かせている。交際2ヶ月の電撃結婚だったことに加え、山里が「モテないキャラ」、蒼井が「恋多き女」として知られてきたこと、また9歳の年齢差も、人々を驚かせたようだ。

 たしかに、このふたりは、一見、ありがちな組み合わせではない。だが、彼らのようなカップルは、ハリウッドでも例がある。

 たとえば、ジュリア・ロバーツの最初の結婚がそうだった。「フラットライナーズ」で共演した、ひとつ年上のキーファー・サザーランドとの婚約を挙式の3日前に破談にしたロバーツが、その2年後に結婚したのは、カントリー歌手のライル・ラヴェット。当時ロバーツは25歳、ラヴェットは35歳。つきあい始めて3週間というスピードで、まさに不意打ちのニュースだった。100万ドルのスマイルで知られる世界のトップスターを手にしたラヴェットは、当時、深夜トーク番組でさんざんジョークのネタにされ、それこそ“美女と野獣”というような言われ方もされている。この結婚は2年ももたなかったが、ふたりは今も友人関係にあるということだ。

 次に、アンジェリーナ・ジョリーとビリー・ボブ・ソーントン。当時ジョリーは25歳で、オスカー助演女優賞を受賞したばかり。「スリング・ブレイド」で脚本賞を受賞、「シンプル・プラン」で助演男優部門に候補入りしたソーントンも個性的な実力派として認められていたが、19歳も年上で、ローラ・ダーンと同棲していた。ラスベガスでの電撃結婚を、ダーンは、一般人と同じようにニュースで知ったそうである。だが、ソーントンは、わかりやすいイケメンではないものの、その前に4回も結婚しており、決して「モテない」タイプではない。また、ふたりがお互いの血を入れたペンダントをぶらさげたり、公に熱愛ぶりを見せつけたりするうちに、この奇抜なところが合っているとのかと、世間は納得するようになった。この結婚が2年で破局したのには、養子の受け入れが大きく関係していたようである。

 そして、ケイティ・ペリーとラッセル・ブランド。人気急上昇中だったカリフォルニア生まれのポップスターが、9歳上のイギリス人コメディアンと結婚したのは、2010年のこと。ブランド主演のコメディ映画「Get Him to Greek(日本未公開)」にペリーがカメオ出演して出会い(そのシーンはカットされた)、2009年秋につきあい始めたふたりは、その年の大晦日、インドでのバケーション中に婚約。翌年10月、やはりインドでヒンドゥー教の結婚式を挙げた。だが、ブランドは、婚約から丸2年にあたる2011年12月末に離婚を申請。離婚後、ブランドは、ペリーのことを本当に愛していたと語り、ペリーも最近、当時自分は25歳で、まだプリンセスを夢見ているようなところがあったと振り返っている。

 と、なんだか続かなかった例ばかりになってしまったが、そこは意図したところではない。実際、ハリウッドのカップルは、誰が見てもお似合いだったのに結局は続かなかったということのほうが多いのだ。外にどのような印象を与えるのかにかかわらず、夫婦がお互いを理解し合い、協力していかなければいけないことに、変わりはない。この新しいカップルが、人生でこれからやってくる数多くの良いこと、悪いことを、手を取り合いつつ分かち合っていくよう、心から応援したいと思う。どうぞ、末永くお幸せに!

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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