2月25日、英国の若手ブランド「ロク」を皮切りに、2019-20年秋冬のパリ・コレクションが始まりました。

カール・ラガーフェルド亡き後の初めての大きなコレクションで、これから76人のレディースファッションのランウェイが始まります。

カールは4つのブランド(シャネル・クロエ・フェンディ・ラガーフェルド)を率いていましたが、特に注目されるのはシャネルです。後継者は誰なのでしょうか。ヨーロッパ1の報道からお伝えします。

後継者はイギリス人?

よく引用されているのは、Phoebe Philo の名前です。

イギリス人で、有名なロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業。クロエで、ステラ・マッカートニーのアシスタントとして、キャリアを始めました。

2001年から2006年までクロエのクリエイティブ・ディレクターをつとめ、その後はLVMHに注目され、2008年から2018年までの10年間はセリーヌのクリエイティブ・ディレクターでした。セリーヌ辞任後の将来のプランは、特に発表されていませんでした。

カールの右腕であり左腕

今回のパリコレなど、しばらくの間は、Virginie Viardがシャネルの監督をつとめます(上記写真)。彼女は、ラガーフェルドの最も近い協力者でした。カールは彼女のことを「右腕であり、左腕でもある」と語っていました。

彼女は2015年にAFPとのインタビューで、自分はカールと「補完的」だと説明していました。「私はそのことをよく理解しています。カールがやりたいことを昇華させることができますし、彼がシャネルをどこに導こうとしているか、私はよくわかっていました」と語りました。

シャネルとクロエの展覧会

カール・ラガーフェルドは、彼の希望に従って、最も親しい人だけで2月22日火葬され、お葬式が営まれました。

偉大な彼の功績を讃えて、パリの装飾芸術美術館(ルーブル美術館の並び)では、3月5日まで、シャネルとクロエの中から選ばれた彼の作品が、一時的に展示されることになりました。

カールはアールデコとメンフィス・スタイルの熱狂的なコレクターでしたが、彼のこの趣味が発揮されたスタイルを展示しています。

装飾芸術美術館のHPより
装飾芸術美術館のHPより

カール・ラガーフェルドへのオマージュ(1933−2019)

2019年2月22日ー3月5日

パリ装飾芸術美術館

107, rue de Rivoli

75001 Paris

メトロ : Palais-Royal, Pyramides または Tuileries

追伸

筆者は、日本で編集者をしていたときにシャネルのランウェイを見たことがあるし、ファッション史には結構詳しいほうだと思う。存命中、そして今も、カールの功績に対しては、賛美だけではなくて批判もある。

よく聞く批判はココ・シャネルは働く女性のことを考え、女性の自立に貢献するエレガントな服を創ったのに、カールは違うというものだ。確かにコレクションによっては、ココ・シャネルのエスプリからは遠いと感じさせる時もあった。これは、女性を一人の人間として見るか、バービー人形として見るかという、政治的な問題をはらんでいる。

でも筆者は、多くの老舗ファッションブランドがただ名前だけになっていき、創設者のエスプリとはかけ離れていく時代において、カールは本当に頑張ったと思う。それに、芸術が民主化されている現代において、美しさと政治を一緒にすることはあまり好きではない。そこに蔑視感情が本当にあったのなら話は全く別であるが、美は美である。もし政治を語るのなら、芸術や美しさが人間の自由と夢と平等に貢献したことのほうが、ずっとずっと大きいと思う。

「ファッションの帝王」と呼ばれた人物の死。これからの時代にモードがどうなるのかと思いをめぐらせながら、ご冥福をお祈りします。