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進化を止めない分譲マンションで、手つかずだった場所がこれからの「注力ポイント」に

櫻井幸雄住宅評論家
椅子に座って食事するライフスタイルは、昭和30年代にマンションから広まった。(写真:イメージマート)

 一戸建てがゆとりや自由度の高さを長所とするのに対し、鉄筋コンクリート造のマンションが誇るのは機能性の高さ。限られた面積のなかで、いかに効率よく、便利に生活できるか、に工夫が凝らされる。

 昭和30年代から登場した「日本のマンション」は、新たな工夫を次々に開発し、日本人の暮らしを買えてきた。

 椅子に座り、ダイニングテーブルで食事するライフスタイルを広め(最初はみんなが驚き、憧れた)、金属枠の窓や「流し・コンロ・収納」が一体化したシステムキッチンで、ゴキブリが発生しにくい台所があることを教えてくれた。

 以後、マンションのほうが一戸建てよりも設備機器・サービスが充実する時代が続いている。たとえば、キッチンのディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)や24時間ゴミ出しOKは、マンションならではの利点になっている。いずれも一戸建てで採用することが不可能というわけではないが、導入例は極めて少ない。

 この「マンションの進化」には流行がある。たとえば、ある時期、すべてのマンションで浴室が進化した時期があった。それは、昭和の後半、1980年代のことで、「システムバス(ユニットバス)」と「浴室換気乾燥機」のセットが一気に広まった。以後、浴室に隣接する押し入れ内でカビが発生するということがなくなった。

 それまでのマンション室内は、梅雨時にカビとの戦いを強いられたのだが、そんなこと60歳以上でないとご存じないだろう(逆に、シニアはいまだにお風呂のそばはカビが生えるから気をつけてと言ったりする)。

 マンションのキッチン設備が一気に進化したのは21世紀に入ってから。ディスポーザーも食器洗い乾燥機も、引き出しがゆっくり静かに閉まるソフトクロージング機能も、20世紀までのマンションでは一般的ではなかった。

 そして、これから先マンションの建物内で、大きく進化する、と考えられる場所がある。それは、今まで進化から取り残されていた感がある場所だ。

マンションにおいて、極めて大事な場所

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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