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「一番立地」という言葉が通用しなくなった、最近の住宅地事情。意外なお買い得物件も

櫻井幸雄住宅評論家
洋館が残る横浜市内山手エリアも「一番立地」と呼ばれた場所のひとつだ。(写真:イメージマート)

 不動産業界には「一番立地」という言葉がある。そのエリアで、最も評価の高い場所という意味で、「地域一番立地」とも呼ばれる。

 例えば、東京都大田区では田園調布、世田谷区内では成城や瀬田、岡本など、横浜市内では中区の山手、関西の阪神間であれば芦屋……いやいや、もっとよい場所がある、という意見もでてくるだろうが、一例を挙げれば、ということでご容赦願いたい。

 その「一番立地」の威光が近年、落ちてきた。結果として、「あの地名が付くマンションが、そんな価格で購入できるの」と驚く事態が生じている。

 例えば、今、横浜市内で販売中の「プレディア横濱山手パークヴィラ」というマンションは、2LDKが4500万円台からの設定。5000万円台で購入できる3LDKも多い。横浜の山手を知っている人であれば、「今はずいぶん安いなあ」と思うのではないだろうか。

 「プレディア横濱山手パークヴィラ」の場合、戦前からの洋館が残る横浜市中区山手町から少し離れた中区滝之上地区なのだが、それでも根岸森林公園や有名な山手のレストラン「ドルフィン」にも近い。最寄り駅がJR京浜東北・根岸線の山手駅であることも含め、山手エリアのマンションであることは間違いない。その割に安く思えるのだ。

 同様のことは、世田谷区内や関西の一番立地でも起きている。

 なぜ、「一番立地」のマンションが割安に見えるようになったのか。その理由と、そこから見えて来る買い得物件の要素を解説したい。

一番立地物件が割安になった2つの理由

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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